２ ページ12
「そんな顔って、どんな顔よ？」
海人に言われて訊き返す。
「それ。そんな、寂しそうな顔だよ。」
言いながら俺の頬を指で突いて。
「そうだぞ。そんな顔してたら気になるじゃん。」
優太が俺の顔を覗き込む。
二人に挟まれて、俺の事を気遣ってくれてるらしい。
「･･･何も無いもん。」
言える訳無いやん。
紫耀と神の事が気になってるやなんて。
二人が仲良さそうなのが気になるやなんて。
「何だよ、素直じゃねぇなあ。」
「ほんと。でもバレバレだからね？」
優太と海人に言われてもうた。
俺ってほんま、隠し事出来んのよ。
隠し事とか嘘吐いたりしても、すぐにバレてまうの。
「気になってんでしょ？あの二人の事。」
「何か最近やたら仲良さそうだもんな。」
せやねん。
海人と優太の言う通り、前よりももっと親密になってる気がするんよ、あの二人。
「それで寂しくて拗ねちゃってんでしょ？」
「何だよ、可愛いなーおい。」
二人からそんな事を言われて。
「うっさいねん、もー。ほっとけや。」
弄ってくんならそっとしといて欲しいわ。
「お前そんな顔で後の撮影出来んのか？」
優太からそんな事を言われて。
「大丈夫だよ廉は。だってプロだもんね？」
「当たり前やろ。」
そんなん、仕事とプライベートはきっちり分けますよ。
沢山の人に応援して貰っとるんやから、それにきちんと応えな。
「でもさ、近頃のあの二人はやっぱり気になっちゃうよね？」
海人が紫耀と神を見て。
「一体あいつら何話してんだ？」
優太も気になってるみたいで。
「訊いちゃえば良いんじゃん？」
「は？お前･･･。」
俺が止める間も無く海人が立ち上がる。
「ちょっと紫耀！ずっとほっとくから廉が拗ねちゃってるよー！」
「馬鹿！何言うとんねん！」
慌てて海人の口を手で塞いだ。
「え？」
紫耀が驚いた顔でこっちを振り向いて。
「何でも無い！何でも無いから！」
紫耀に向かってそう言って、慌てて海人をソファに座らす。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 585人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「平野紫耀」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：弥勒
| 作成日時：2020年10月1日 0時
