１０ ページ10
「何で廉はいつも俺にだけ素直になれないの？岸君とかには平気で好きとか言うくせに。」
その声は拗ねてるような、酷く寂しそうな。
「そんなん、知らんもん。」
何でか昔から俺は全部知られてもうてるからか、紫耀には素直になれんくて。
「素直になれば楽になれるのに。俺がめちゃくちゃに甘やかせて愛してあげるのに。」
「煩い。黙れ。何も言うな。」
楽になれる。
その言葉の誘惑に負けそうになる。
だって、好きなんやもん。
でも、生まれたばかりの紫耀への気持ちは消さなあかん。
それが大きく育ってしまう前に。
消せなくなってしまう前に。
「廉、俺を見て？ちゃんと俺を見て？」
「い･･･嫌やっ･･･離せっ･･･。」
お前の目なんか見たら俺は嘘吐けんようになってまう。
自分の気持ちを誤魔化せんようになってまう。
「廉。大丈夫だから。ね？俺を見て？」
さっきまでとは違う、優しい声。
「あ、」
見てもうた。
･･･だから駄目やったんや。
そんな優しい瞳で見られてもうたら･･･。
「廉。大丈夫だから。何があっても俺が絶対にお前を守るから。俺がずっとお前を守る。」
「う･･･。」
俺が言うた言葉がそのまま返される。
そんな事･･･そんな事出来る訳無いのに。
「廉はただ俺に愛されてれば良いんだから。」
優しいのに、その瞳の奥に強さが映っていて。
「大好き。廉、大好きだよ。だから、廉も俺の傍に居て？ずっと、俺の傍に。」
「あ･･･俺･･･俺･･･。」
あかん。
俺は何を言おうとしてるんや？
「大丈夫だよ。廉。大丈夫だから。」
その声の力強さに、俺の固まっていた心が解けていく。
「紫耀･･･ほんまに･･･ほんまに俺でええの？」
「廉が良いの。廉じゃなきゃダメなの。」
優しく頬に触れる手。
「だって、俺男やし･･･結婚も出来ん。お前の好きな･･･子供も産んでやれん。」
「そんなの必要無い。廉が居れば･･･俺はそれだけで幸せだもん。」
だってあんなに普通の家庭に憧れてんのに。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 609人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「平野紫耀」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
李 - 弥勒さん» はいっ！！ (2020年10月1日 13時) (
レス) id: 73a43b40ce (このIDを非表示/違反報告)
弥勒(プロフ) - 李さん» 『ベストジーニスト』もあるし、『国宝級イケメン』も１番になって国民的イケメンに廉君がなる事を祈りましょう。!(^^)! (2020年10月1日 1時) (レス) id: 5f9a248b81 (このIDを非表示/違反報告)
李 - 廉に投票してきました〜！ (2020年9月30日 12時) (レス) id: 73a43b40ce (このIDを非表示/違反報告)
李 - 弥勒さん» そうですね！笑 (2020年9月25日 10時) (レス) id: 73a43b40ce (このIDを非表示/違反報告)
弥勒(プロフ) - 李さん» きっと『メンバー内恋愛禁止』を守ってるんでしょう。二人とも真面目だから。(^^; (2020年9月25日 0時) (レス) id: 5f9a248b81 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：弥勒
| 作成日時：2020年9月22日 0時
