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「此処じゃ何だから、二人で話せるとこ行こ？兎に角、一緒に来て？あっ。」
そう言って肩を抱こうとすればバッと手で払われてしまった。
「触んな言うたやろ。」
「あ･･･ごめん･･･。」
低く冷たい声。
今迄の廉の甘く柔らかい声とは比べ物にならない。
俺は急いで自分の荷物を持ってドアを開けた。
「お待たせ。行こっか･･･。」
無言のまま廉が歩き出した。
その後を歩いていく。
「大丈夫かな･･･。」
背後で海人が呟いた。
「大丈夫だよ。二人なら。」
神がそれに答えていた。
そのまま二人で歩く廊下も、二人で乗り込んだエレベーターも、ずっと無言のままだった。
「俺ん家でええやろ？」
そう言って乗り込んだタクシーの運転手さんに、自分の家の住所を伝える廉。
その後は二人共一言も喋らなかった。
いつもなら運転手さんに隠れてこっそり二人、指を絡ませ合っていたのに。
廉は黙ったまま、ずっと窓の外を眺めていた。
「先にシャワー浴びて来て。」
「･･･うん。」
廉の家に着いて早速、やっと口を開いたと思ったら。
こんな時でも先にシャワーを浴びさせられるんだ。
じゃないと、気になって話も出来ないらしい。
いつもなら二人で一緒に入ってじゃれ合っていたのに･･･。
此処ってこんなに広かったったっけ？
浴室に入れば思い出されるいつもの風景。
此処に入る時は、この後の事を想像していつもドキドキして。
でも、この後の話次第では、俺はもう二度と此処に入る事は無くなるかもしれないんだ。
何でこんな事になったんだろう。
ずっとモヤモヤした気持ちのまま、身体だけがサッパリした。
浴室を出れば、籠の中に着替えがきちんと畳まれて置かれていた。
それは前に俺が置いていったものだった。
廉の部屋から俺の痕跡が無くなってしまうかもしれない。
今日この部屋を出たら、二度と此処へ足を踏み入れる事は無くなるかもしれない。
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弥勒(プロフ) - るんさん» 有難う御座います！一番好きだなんて光栄です！毎話なるべくリアルに近付けるよう心掛けているので、今後も伝わって共感してもらえるよう頑張ります！ (2020年7月13日 9時) (
レス) id: 131fae9ece (このIDを非表示/違反報告)
るん(プロフ) - 初コメ失礼します。いつも楽しく拝見させて頂いています。ほぼ毎日のように更新してくださって嬉しいです。ありがとうございます。今まで読んだしょうれんの作品の中で一番好きです。この2人ならなるであろうシチュが共感しかありません！これからも応援しています。 (2020年7月12日 3時) (レス) id: 8203db09b3 (このIDを非表示/違反報告)
弥勒(プロフ) - #Loveさん» 有難う御座います！独り言まで読んで頂いて感激です！作中のエピソードは全部ではありませんが実際の事を盛り込んで、なるべく話をリアルにしようと心掛けているので、伝わってくれていれば嬉しいです。 (2020年7月9日 0時) (レス) id: 131fae9ece (このIDを非表示/違反報告)
#Love(プロフ) - はじめまして。こんにちは。いつも楽しく読ませて頂いてます。お話の更新もいつも早いので毎日通知を見るのが楽しみになってます。今回もそうですが最後に作者様の一言に共感しています。撮影エピソードとか。書いてる背景なんかも伝わってきて嬉しいです！ (2020年7月8日 7時) (レス) id: 6a06178345 (このIDを非表示/違反報告)
弥勒(プロフ) - 楼茉（ろま）さん» 有難う御座います！どれだけエロいキスシーンが書けるか日々研究中です。キス１つでどれだけ感情を伝えられるかがこだわりポイントなんですが、なかなか思うようなのは書けずに苦しんどります。(-_-;) (2020年7月5日 2時) (レス) id: 131fae9ece (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：弥勒
| 作成日時：2020年7月3日 1時
