【ヒロアカ】彼氏面しないで2【轟】

理由 ページ45

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誰に言ったわけでもないのに轟くんと付き合うことになったのはすぐにA組全体に知られてしまった。

みんな祝ってくれて嬉しいような、恥ずかしいような。

峰田くんにはめちゃくちゃ文句を言われたけど。



とはいえ、大きく何かが変わることはないのだと思う。


轟くんは休日になると仮免講習を受け、わたしは復習をしたり訓練をしたりたまにクラスメイトと出かけたりしている。

付き合う前と後で何も変わっていない。

話す内容も頻度も、全部。


「ウチらと遊んでていいわけ？」


そんな日曜日。

外出届を出して、耳郎ちゃんと芦戸さんと一緒に映画を見に行く。

前にみんなで買い物に行ったショッピングモールに向かって歩く道すがら耳郎ちゃんにそんなことを言われてちょっと言葉に詰まる。

なんて答えるのが正解なのさ。


『……そりゃ、良いか悪いかなら悪いよ』


わたしだって、こんなんでもちゃんと轟くんのことが好きなのだ。

どこかで付き合って数週間が大事って見たような気もする。

大々的に盛り上げられてしまった以上すぐに別れるなんて絶対ダメだし。


「ちなみにどこまでいった？」

「え、そんなん聞くの……」


わたしの返事が予想外だったようで、耳郎ちゃんは目を大きくして驚いていた。

そんな彼女の向こうから芦戸さんの満面の笑みが向けられる。

耳郎ちゃんがちょっと引いてる。


どこまで、って言われてもなあ。

同じクラスだからこそふたりとも知っているだろうけど、本当に何も変わっていないのだ。

轟くんとふたりきりで話すみたいなこともまずない。

教室も寮も、誰かしらいるものだ。


『手繋ぐか繋がないかくらい』

「まじで！？」


校舎から寮までなんてほんの数分で着くし、授業の後は疲れてて出かけることはそんなにないし、何より休みの日は仮免講習がある。

むしろ手を繋ぐ時間を見つけてくる轟くんにびっくりしてるくらいだ。




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