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「エリちゃんは一般人だよ。で、お前は仮免持ちだろうとヒーローだ」
『!りょーかいです!』
あまりにも的確な指摘に親指を立ててしまった。
先生に虫に対するみたいに手を払われたけど気にしないことにして、もう一度エリちゃんに向き直った。
『デクのお友達のミロワールって言います』
「みろわー……」
『ふふ、呼びやすい呼び方でいいよ』
デクって言ったらすぐに表情が明るくなったので、ちゃんと伝わったようだ。
口の回らない小さい子っぷりが可愛らしくて口角が緩む。
彼女がどんな経験をしてきたのかはわたしには分からないけれど、これからの人生は晴れやかであってほしい。
小さい女の子は笑ってなきゃだめだ。
「エリちゃん、クレープどうぞ」
両手にクレープを持った緑谷くんがエリちゃんにひとつ差し出しながら言った。
立ち上がって彼に場所を譲るときに見えた、知らない食べ物を不安そうに眺めるエリちゃんがかわいい。
『子供ほしい』
「ええ!どうしたん!?」
「エリちゃんの可愛らしさにやられちゃったのね」
彼らの元を離れて、生地が焼ける様子を見てたふたりに合流する。
かわいさに当てられてクラクラしてしまいそうだ。
クレープを食べ終わると、緑谷くんは用事があるからとどこかへ駆けていってしまった。
先生と通形先輩はエリちゃんを連れて次の目的地へと向かうらしい。
大人数で連れ回すのは緊張させちゃうかもってことで先生たちとはここでお別れ。
わたしと梅雨ちゃんとお茶子ちゃんは行き先も決めず歩き出す。
ふらっと立ち寄った先がめちゃくちゃ楽しいのも文化祭あるあるだって誰かに聞いたし。
一冊のパンフレットを3人で覗き込んで、アイスを食べたりジュースを飲んだり劇を見たりした。
文化祭超たのしい。
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有紀(プロフ) - 瑞穂さん» こちらこそ読んでくださってありがとうございます!気長にお待ちくだされば幸いです◎ (2020年4月29日 22時) (レス) id: a38a24a1c3 (このIDを非表示/違反報告)
瑞穂(プロフ) - 続編ありがとうございます!続き楽しみにしてます!! (2020年4月26日 13時) (レス) id: e180184c40 (このIDを非表示/違反報告)
有紀(プロフ) - かぼさん» コメントありがとうございます!続編でもよろしくお願いします◎ (2020年4月20日 22時) (レス) id: a38a24a1c3 (このIDを非表示/違反報告)
かぼ(プロフ) - 続編嬉しいです!!これからも楽しみにしてます(*´∇`*) (2020年4月19日 23時) (レス) id: 5ac4123fb5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:有紀 | 作成日時:2020年4月17日 0時