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「鏡見ー、今時間いい？」
『どうぞー』
尾白くんとの話が落ち着いた頃、瀬呂くんがひょこっと顔を出した。
立ったまんまも可哀想だなと思ってちょっと尾白くん側に寄ると悪ィと片手を上げて隣に座った。
「ちょっと演出のことで相談したくてさ」
『もしかして引き抜き！？』
「喜ぶな喜ぶな。んなことしたら芦戸にキレられるわ」
演出監督と名高い瀬呂くんの言葉に食い気味に返事をすると、どうどうと宥めるように両手を向けられた。
馬じゃないぞと怒りながらソファに座り直す。
「舞台からでも個性つかえる？」
『んー……踊りながら、みたいな高度なこと求めなければ、たぶん？』
瀬呂くんは手に持っていた資料をわたしに見せてくれた。奥から尾白くんも覗き込む。
ちゃんとパソコンで作られていて、余白に色んな文字が書き込まれていた。
瀬呂くんの文字以外もあるから、たぶんみんなで話し合ってる。さすが監督。
「後半は個性使いまくって派手！って感じにしたいのよ。んで、舞台からでも使える個性探してんの」
聞けば青山くんが途中であのキラキラビームを観客席に飛ばすらしい。
それをわたしの鏡で反射させればいい感じになるんじゃないか、とのこと。
ぶっちゃけ完全に同意。
『使う場所なくて全然言ってないんだけど、実はわたしの個性も進化してるのでめちゃくちゃ適任です』
「合宿効果？」
『そうそう！あんなきっついことさせられてただけあるわ』
隣で聴いてた尾白くんに聞かれ、合宿を思い出す。
爆豪くん誘拐事件で薄れがちではあるけど、あの合宿以降みんな格別に進化しているのを感じている。
わたしも例に漏れず進化しました。
「どんな感じ？」
机にさっきの紙を置いてペンを構えた瀬呂くんが聞く。
説明するのちょっと難しいんだけど、と保険にも似た前置きをして口を開いた。
『鏡の倍率？を変更できるようになったの！前は等距離に反射させるのしかできなかったんだけど、今は割と自由自在に反射先変えられる』
「なるほど……都度変えられるの？」
ペンを走らせる瀬呂くんはインタビュアみたいだ。
わたしの雑な説明で納得してくれることに感動。
『変えられるけど、たぶんダンスしながらは無理かな』
ダンスじゃなければできると思うけど。
やっぱりより良いパフォーマンスのためにはわたしを舞台から下ろすべきだよ。
うんうん、とひとり頷いていたら尾白くんがすっと指を伸ばした。
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有紀(プロフ) - 瑞穂さん» こちらこそ読んでくださってありがとうございます！気長にお待ちくだされば幸いです◎ (2020年4月29日 22時) (
レス) id: a38a24a1c3 (このIDを非表示/違反報告)
瑞穂(プロフ) - 続編ありがとうございます!続き楽しみにしてます!! (2020年4月26日 13時) (レス) id: e180184c40 (このIDを非表示/違反報告)
有紀(プロフ) - かぼさん» コメントありがとうございます！続編でもよろしくお願いします◎ (2020年4月20日 22時) (レス) id: a38a24a1c3 (このIDを非表示/違反報告)
かぼ(プロフ) - 続編嬉しいです！！これからも楽しみにしてます(*´∇｀*) (2020年4月19日 23時) (レス) id: 5ac4123fb5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：有紀 | 作成日時：2020年4月17日 0時
