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『梅雨ちゃんはダンス得意?』
「得意ってほどじゃないけど、みんなでひとつのものを作り上げるのはとても素敵だと思うわ」
だからAちゃんにも頑張ってほしいの、と梅雨ちゃんは笑う。
そんなこと言われたら頑張らなきゃじゃん。つられてわたしの口角も緩む。
『……わたし、ずっと高校生がいいな』
「ケロ。何かあったのかしら?」
インターンが終わってから、その間の補習とか色々とあって梅雨ちゃんもお茶子ちゃんも、みんな忙しそうにしていた。
インターン中は頑張って梅雨ちゃん離れして、耳郎ちゃんだけじゃなくてみんなとたくさん話したけど、やっぱり梅雨ちゃんが一番好きみたいだ。
補習とかも大分落ち着いたみたいだし、やっと梅雨ちゃんにベタベタできる。
『ううん、何にもなかったの。何にもない平和な高校生活を送ってた』
嫌がられないかドキドキしながら、いつも葉隠さんがしてるみたいに梅雨ちゃんに抱きついてみた。
背が高くないわたしよりも少し小さい梅雨ちゃんはすっぽりと包み込めてしまう。
優しい笑い声がして、梅雨ちゃんの暖かい手が背中に回された。
『でも、梅雨ちゃんたちは大変だったんだよね……』
久しぶりの梅雨ちゃんの体温。
彼女達が体験した文字通りの“死闘”は話で聞いたわたしには想像もできないくらい辛くて苦しい戦いだったんだと思う。
当たり前だけど、ヒーローは死と隣あわせ。
もちろんそれを分かってヒーローを目指している。
でも、やっぱり、梅雨ちゃんたちがちゃんと戻ってきてくれたことが本当に嬉しい。
『わたしね、いっぱい梅雨ちゃんに話したいことがあるんだ』
「明日も学校だから、あんまり遅くまではダメよ?」
芦戸さんと話してみたら案外話せたこと、梅雨ちゃんがいないのをいいことに轟くんと昼ごはんを食べる流れになったこと、耳郎ちゃんの部屋でお泊まりをしたこと。
何から話しても1日ではとても足りない気がして、向かい合ってぎゅっと手を握った。
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文化祭編です。俗に言う佳境。
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有紀(プロフ) - 瑞穂さん» こちらこそ読んでくださってありがとうございます!気長にお待ちくだされば幸いです◎ (2020年4月29日 22時) (レス) id: a38a24a1c3 (このIDを非表示/違反報告)
瑞穂(プロフ) - 続編ありがとうございます!続き楽しみにしてます!! (2020年4月26日 13時) (レス) id: e180184c40 (このIDを非表示/違反報告)
有紀(プロフ) - かぼさん» コメントありがとうございます!続編でもよろしくお願いします◎ (2020年4月20日 22時) (レス) id: a38a24a1c3 (このIDを非表示/違反報告)
かぼ(プロフ) - 続編嬉しいです!!これからも楽しみにしてます(*´∇`*) (2020年4月19日 23時) (レス) id: 5ac4123fb5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:有紀 | 作成日時:2020年4月17日 0時