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「できたぞ」
『わたしが轟くんの手を動かせるのがいちばん楽なんだけど、触ってもいいかな』
「火傷するからダメだ」
右手を伸ばしながら聞くと、ぱしっとひんやりとした手で止められた。
たぶん轟くんの右手かなと思いながら、確かに温めてもらったんだもんねと手を下ろす。
うーん、と唸っているとケロと梅雨ちゃんが鳴いた。
「轟ちゃん、こうやってAちゃんの髪を伸ばしてあげて欲しいの」
梅雨ちゃんが自分の髪を指で挟んで、下に動かす。
まさに人間ヘアアイロン。個性が豊かだと日常生活にも応用できていいなぁ。
「……触っていいのか？」
『うん。お願いします』
「なんか、心臓がうるせぇ」
『変なこと言わないでよ！』
轟くんのせいでこっちまで緊張してきた。梅雨ちゃんは楽しそうにケロケロと笑っているだけで何も言ってくれないし。
おそるおそる、伸ばされた指が髪に触れる。驚いて思わず肩を揺らしてしまった。
悪い、と轟くんが謝る。
大丈夫だからはやく終わらせて。
言うとまた髪に指が触れた。
なんだかくすぐったい感覚が右端から左端まで写って、梅雨ちゃんが轟くんを褒める声が聞こえた。
右手を反射するようにして髪型を見ると、家を出る前に頑張ってつくって、でも電車に乗る頃にはすっかりなくなっていた内巻きが戻ってきている。嬉しい。
『前髪もやってくれる？』
「お」
『分け目はこのまんまでいいから』
と、彼に向き直ったところで、思ったよりもずっと近くに轟くんが座っていることに気がついた。
梅雨ちゃんが貸してくれたらしい椅子はわたしが座る椅子のぴったり後ろ。
轟くんは足を開いて座っているが、閉じて座るなんてできないんじゃ？ってくらい近い。つまり、轟くんの顔が近い。
「っ、やっぱ大丈夫！ありがと」
「おう……っ」
ぱっと目を逸らして、パタパタと手で顔を扇ぐ。
轟くんは顔が綺麗すぎてしんどい。
ふたりして気まずくなった頃、1限の開始を告げるチャイムが鳴った。
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素で右と左を間違えていました……轟くんごめんね
なんか順位ついててびっくりです……ありがとうございます◎
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有紀(プロフ) - 華蓮さん» ありがとうございます！ぜひお気軽にフォロリクしてあげてくださいませ◎ (2020年2月21日 20時) (
レス) id: a38a24a1c3 (このIDを非表示/違反報告)
華蓮(プロフ) - めっちゃ好きです！ちょー面白いです！ツイッター、ぜひ私も繋がらせてください！ (2020年2月17日 23時) (レス) id: 8e99dba7a3 (このIDを非表示/違反報告)
有紀(プロフ) - プルスウルトラさん» ありがとうございます！オチが見えてないので当分は書き続けそうです笑 (2020年2月17日 20時) (レス) id: a38a24a1c3 (このIDを非表示/違反報告)
プルスウルトラ - 凄い好きです、尊すぎて死にそうなくらいです、ずっと書いてて欲しいくらいです！ホント大好きです！頑張って下さい！ (2020年2月13日 22時) (レス) id: 387ceeb55f (このIDを非表示/違反報告)
有紀(プロフ) - まじま。さん» だれも構ってくれなくても作ろうと思っていたので暖かいお言葉がいただけて光栄です！最新ページをこそっと書き換えたので気が向いたらフォローしてやってください！ (2020年2月6日 0時) (レス) id: a38a24a1c3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：有紀 | 作成日時：2020年1月23日 15時
