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「鏡見が俺を避けてるのは分かってた。俺がそれでいいって言ったし、文句言う資格も無いと思ってる」
轟くんの右手は冷たい。
余計にわたしの体温が高いのが気付かれてしまう気がした。でも離す口実も浮かばなくてされるがままでいる。
「けど、久しぶりに声を聞いたら歯止めが効かなくなりそうになっちまった。お前と話したいし、お前に触りたい」
『さわっ…！？』
「……ダメか？」
ゆっくりと轟くんの手が近づいてくる。心臓があり得ないくらいうるさい。
どうすればいいのかわからなくて思い切り目を瞑った。
「なんで拒まねえんだよ。勘違いするだろ」
彼の指先が一瞬頬に触れた。
思っていたより熱くて咄嗟に飛び退く。囁くような低い声が耳の奥にずっと残っている。
なんだこれ、苦しい。
『ばっ、ばかじゃないの！？』
大きい声を出すことしかできなかった。
たぶん顔は真っ赤だし目には涙が滲んでいる。めちゃくちゃ恥ずかしい。
余裕のない顔なんて見せたくなかったのに。
『勝手に勘違いしてればいいじゃん！』
叫んでそのまま駆け出した。
チラリと見えた轟くんはかなり呆然としていたようだったけれど、気にかける余裕なんてない。
バタバタと共有スペースまで戻り、梅雨ちゃんを探し出して泣きついたわけだ。
「……その捨て台詞みたいなの、ほぼ告白じゃない？」
『んなわけないじゃん』
「勘違いするな、でしょ。普通は」
ニヤニヤが隠せていない耳郎ちゃんにムカついて梅雨ちゃんに抱きつく。
焦ってたから変なこと言っちゃっただけじゃん。別に轟くんなんて好きじゃないし。
梅雨ちゃんはあやすように規則的に背中を叩いてくれていた。その優しさに甘えてこれでもかと力を込める。
Aちゃんは可愛いわね、と笑う声が聞こえた。
「で、やっと轟が好きって認めたわけ？」
『……別に、好きじゃない』
「Aちゃん」
『うぅ……そーだよ、すき』
ムスッと答えると咎める声が聞こえて、情けないくらい小さい声を出す。
よく言えたわ、なんて頭を撫でる梅雨ちゃんにすらちょっとムッとしてしまう。
からかわれるのは嫌いだ。
『言っとくけど、このメソメソAちゃんは今日だけだからね』
明日からは弱音吐かないし轟くんとも普通に話すし、絶対元に戻してやる。
今日だけだからいっぱい甘やかしてなんて誰も言ってないのに、いつの間にか耳郎ちゃんまで頭を撫でてくれていた。
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有紀(プロフ) - 華蓮さん» ありがとうございます！ぜひお気軽にフォロリクしてあげてくださいませ◎ (2020年2月21日 20時) (
レス) id: a38a24a1c3 (このIDを非表示/違反報告)
華蓮(プロフ) - めっちゃ好きです！ちょー面白いです！ツイッター、ぜひ私も繋がらせてください！ (2020年2月17日 23時) (レス) id: 8e99dba7a3 (このIDを非表示/違反報告)
有紀(プロフ) - プルスウルトラさん» ありがとうございます！オチが見えてないので当分は書き続けそうです笑 (2020年2月17日 20時) (レス) id: a38a24a1c3 (このIDを非表示/違反報告)
プルスウルトラ - 凄い好きです、尊すぎて死にそうなくらいです、ずっと書いてて欲しいくらいです！ホント大好きです！頑張って下さい！ (2020年2月13日 22時) (レス) id: 387ceeb55f (このIDを非表示/違反報告)
有紀(プロフ) - まじま。さん» だれも構ってくれなくても作ろうと思っていたので暖かいお言葉がいただけて光栄です！最新ページをこそっと書き換えたので気が向いたらフォローしてやってください！ (2020年2月6日 0時) (レス) id: a38a24a1c3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：有紀 | 作成日時：2020年1月23日 15時
