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「ぼ、僕…8番……」
『緑谷くんかー、よろしくね！』
めちゃくちゃ震えているけど怖いのだろうか。
怖いなら手繋ぐ？とからかってみたらビクリと肩を揺らす。
お茶子ちゃんがいる手前そんなことしないよ。
ヒラヒラと手を振って冗談だよと笑う。
「緑谷、代わってくれないか」
「えっ！？……轟くんのペア、かっちゃんだよね……」
「爆豪はどうでもいい。俺は鏡見と肝試しがしてえ」
「どうでもいいとか言ってんじゃねェぞ舐めプ野郎！こっちだって願い下げだボケ！」
『……わたしと轟くんが代わった方が平和では』
「鏡見さん！？」
緑谷くんの反応からするに、轟くんに怯えていたみたいだ。
ほんと、勝手に彼氏面するなと何度言えばわかるのか。
わたしは轟くんと肝試しなんてしたくない。
でも、爆豪くんと轟くんのペアも相当ひどいと思う。
絶対各々好きな道に進んで迷うでしょ。
『変更禁止らしいよ、残念』
出来上がったペアは結構いい感じだった。
変更可能だったら真っ先にお茶子ちゃんに頼んだのに。
そう思いながらじっとこちらを見つめている彼女に手を振った。
梅雨ちゃんとわたしで組めてお茶子ちゃんと緑谷くんが組むなんて最高すぎる。
『轟くん2番なんでしょ？早く行っておいで』
「緑谷と手繋いだりするなよ」
『しないしない』
いつまでも動かない轟くんに声をかけると、また的外れなことを言ってきた。
適当に返して背中を押せば、彼はやっとスタートの方へと向かった。
「……鏡見さんは轟くんのことどう思ってるの？」
轟くんとのやり取りを黙って見ていた緑谷くんが、轟くんの背中を見つめながら問いかける。
うーん、と少し唸ってから答えた。
『鬱陶しい』
「はは、辛辣だね……」
わたしは彼に苦笑いばかりさせているなぁ。
目線をスタート地点に戻すと、もう背中は見えなくなっていた。
『まあ、かっこいいとは思うけどね』
「えっ」
『轟くんに言ったらダメだよ？』
すごい勢いで首を回した緑谷くんに笑いかけ、人差し指を口元に寄せた。
前にお茶子ちゃんにもこうやって何かを口止めしたっけ。
緑谷くんは顔を赤くして取れそうな勢いで頷いてた。
こんな平和で青春の1ページみたいな林間合宿が、一瞬で壊されるなんて、このときのわたしたちは思いもしなかったのだ。
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鏡見さんは死柄木さんに拐われないし爆豪くんを助けにも行きません。次の話では急に時間が飛びます……。
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有紀(プロフ) - 華蓮さん» ありがとうございます！ぜひお気軽にフォロリクしてあげてくださいませ◎ (2020年2月21日 20時) (
レス) id: a38a24a1c3 (このIDを非表示/違反報告)
華蓮(プロフ) - めっちゃ好きです！ちょー面白いです！ツイッター、ぜひ私も繋がらせてください！ (2020年2月17日 23時) (レス) id: 8e99dba7a3 (このIDを非表示/違反報告)
有紀(プロフ) - プルスウルトラさん» ありがとうございます！オチが見えてないので当分は書き続けそうです笑 (2020年2月17日 20時) (レス) id: a38a24a1c3 (このIDを非表示/違反報告)
プルスウルトラ - 凄い好きです、尊すぎて死にそうなくらいです、ずっと書いてて欲しいくらいです！ホント大好きです！頑張って下さい！ (2020年2月13日 22時) (レス) id: 387ceeb55f (このIDを非表示/違反報告)
有紀(プロフ) - まじま。さん» だれも構ってくれなくても作ろうと思っていたので暖かいお言葉がいただけて光栄です！最新ページをこそっと書き換えたので気が向いたらフォローしてやってください！ (2020年2月6日 0時) (レス) id: a38a24a1c3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：有紀 | 作成日時：2020年1月23日 15時
