婚約者の事情 ページ2
YJ「ああ、戻ったね。
ジミン君は何て?」
『…なにも。』
部屋に戻るなり尋ねてきたユジュンさんに答えると、
残念そうにそうか。と腕を組む。
何もかもを楽しんでいるような彼の様子に、
恐怖すら感じる。
思わず顔を伏せそうになったところで、
ポンと肩を叩かれた。
顔を上げると、ユンギさんがまるで大丈夫だと言うように笑ってくれていて、そのまま私を支えるように隣に立ってくれる。
YG「色々算段されたようですが、
やっぱりその婚約は認められません。」
YJ「…何度も言ってるだろう?
決めるのは私だ。」
YG「いえ。
今まで俺はなるべく会長の言うことを聞いてきました。
だけど、この件だけは譲れない。」
きっぱりと言い切るユンギさんに、
ユジュンさんの表情が抜け落ちる。
美しすぎる無表情に背筋が凍った。
ああ、きっと、これが彼が持つ本来の姿なんだろう。
YJ「お前がそこまで言うなら聞くが。
その娘と婚約して、お前の会社になんの利益がある?
私に一体なんの得がある?」
YG「ありません。」
YJ「…なら、なぜその娘を選ぶんだ?」
YG「好きだからです。」
え…?
ユンギさんの言葉に、ここにいる全員が彼の顔を見る。
今、
なんて…?
YG「彼女を、
Aを愛してるから、婚約したんです。」
真っ直ぐにユジュンさんに向き合って言う彼の表情は見えなくて、
わけもわからないまま、ただ心臓だけがドクドクと早く動く。
YJ「話にならないな。
…とにかく、発表日についてはまた連絡する。」
YG「Aは行かせませんから。」
ユジュンさんは、最後にユンギさんの方を見て、
そのまま何も言わずに部屋から出て行ってしまった。
好きだと言ったユンギさんの声が耳から離れずに立ち竦む。
さっきのは?と聞くことも出来たはずなのに、仕事に向かう彼を引き止めることが出来なかった。
2386人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「BTS」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
テテッ子(プロフ) - 素敵な話ありがとうございます^ ^みんな幸せそうで読んでて楽しかったです。 (2020年7月22日 15時) (レス) id: 9afff2bd61 (このIDを非表示/違反報告)
ミロ(プロフ) - みんゆんぎの歯茎さん» 作品をそのように褒めていただき、とても嬉しいです( ´∀`)ユンギさんがちょっぴり切ない役所で申し訳なかったですが、このお話の中では一番かっこいい人だったのかなと思います。これからも頑張りますね!ありがとうございます(*^^*) (2020年5月23日 2時) (レス) id: 4091476ef1 (このIDを非表示/違反報告)
ミロ(プロフ) - ナジンさん» 素敵なコメントをありがとうございます(*^^*)読んでいただき嬉しいです!ありがとうございました! (2020年5月23日 2時) (レス) id: 4091476ef1 (このIDを非表示/違反報告)
みんゆんぎの歯茎 - 最近コメディー系ばかり読んでいたからか、涙腺が緩くなってたのかは分かりませんが、一人で大号泣してしまいました(笑)作者さん天才ですか!!応援してます!! (2020年5月20日 14時) (レス) id: 35336a21bf (このIDを非表示/違反報告)
ナジン(プロフ) - 涙が止まりません(T-T)素敵なお話をありがとうございました! (2020年5月20日 0時) (レス) id: 1a05180ee2 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:ミロ | 作成日時:2019年5月18日 17時