百七十八話 ページ30
HS「ジョングク、今まで悪かったな。
でもお前がいてくれてよかった」
JK「そんなの、こっちの台詞…」
丸い瞳に沢山の涙をためたジョングクを見て、
泣くなよ。ってちょっと笑いながら抱きよせたホソク様に軽く寄りかかるジョングク。
彼のこんな表情は初めてみた。
だけど、そう。
この時代の別れは、現代のような軽いものではない。
特に私たちのような異端のものからしたら…
きっと、これは永遠の別れ。
HS「久しぶりに見たお前が色んな表情をするようになってたから驚いた。
それは、Aに会ったから？」
JK「…どうだろう」
HS「はは、素直じゃないな。
Aも。元気で」
『…はい。ホソク様も』
ジョングクから離れ、私を見てあの素敵過ぎる笑顔を浮かべてくれたホソク様に、私も人の事言えないな。
すぐに視界がじわりと滲んでしまった。
そんな私を見て両手を広げてくれたホソク様に嬉々として飛びつこうとしたら後ろから引っ張られて幸せを掴みそこねたけれども。
JK「それじゃ、行きましょうか」
『え？仕切るなよ…』
さっきのうるうるうさちゃんはどこへやら。
ふてぶてしい顔をして当然のようにテヒョンの肩を借りるジョングクと、
TH「重た…そして分厚い…」
ジョングクに全体重をかけられて悲しい顔になったテヒョンに肩をつかまれ引きずられるようにして…
やっとその装飾の美しさに気がついた王の部屋を出た。
城の門をくぐる私たちに、何も知らない百済兵達は威嚇し、槍を向けてきたけれども花郎達が囲むように
守ってくれたおかげでその刃先が私たちに触れることはなかった。
最初はあんなに煙たがれたのにね。
ちょっとだけ泣きそうだ。
JM「あまり長居はしない方がいい。
やっぱりあの王は信用ならない」
王都から出てすぐ、周りを警戒しながらそう告げたジミンに全員急いで馬にまたがる。
一連に同じ動きをする花郎達を見ながら、一人だけ立ったまま動かない男に気がついた。
『ユンギさん？早くしないと置いていかれますよ』
くいっと彼の袖を引っ張ると、私を見てふはっと笑ったその顔に驚いて瞬きを繰り返す。
YG「俺はお前らと一緒に行かないよ」
『え。
…どうして？』
YG「俺が新羅でやるべきことはもう済んだから。
国に戻って本来の立場に戻る。
だから、」
お前とはもうさよならだよ。
って、
その言葉が中々自分の中に落とし込めなくて。
そんなの。
『いやだ！』
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ろび - 夢小説で泣いたのは初めてです。こんなありふれた言葉でしか感想を言えない自分が悔しいのですが、本当に感動しました。素敵な作品をありがとうございました！ (7月6日 18時) (
レス) @page50 id: ce68512d6b (このIDを非表示/違反報告)
neon(プロフ) - 終始最高の作品でした。後半なんかもうバスタオル必須で、言葉では表せない感動がこみあげてきます。お話の中に引き込まれてしまう感覚がとても心地よくて一気に読み進めてしまいました。素敵な作品をありがとうございます。 (2023年2月26日 3時) (レス) @page49 id: db36888990 (このIDを非表示/違反報告)
〇〇(プロフ) - こんなに作り込まれてて最後の伏線回収まで素晴らしい作品でしたありがとうございました！ (2023年2月6日 2時) (レス) @page50 id: dc7d3a4bc1 (このIDを非表示/違反報告)
みーちゃむ(プロフ) - 私の言葉で表せないくらい本当に感動するお話でした！一気読みさせていただいたのですが、ずっと涙がとまりませんでした。恋の行方だったり苦しい時代背景が相まって奥行きのある素敵なお話になっていました（ ; ; ）占ツク史上1番素敵なお話でした！！ (2023年1月1日 16時) (レス) @page50 id: ad70953f09 (このIDを非表示/違反報告)
hanako(プロフ) - 今まで1番読んでて面白いし止まらないし最高でした！！！ありがとうございます、、。 (2021年12月8日 3時) (レス) @page50 id: 9fa27182b4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ミロ
| 作成日時：2020年7月12日 22時
