百七十七話 ページ29
TH「まぁ、そういうわけで俺たちを騙していたヒョンがこうしてご立腹なわけなので」
YG「あれ？もしかして怒ってる？」
TH「とりあえずこの子、返してもらうね」
ふいにぎゅっと抱き寄せられて、
心臓がごとりと動いた。
…きゅんじゃない。
だってユンギさんの言うとおり、テヒョンさんかなり怒ってる。
TH「パク・ヨンジンは新羅が預かる。
百済と高句麗の同盟国同士の話にまで口を挟むつもりはないからね。
それでいいよね、ヒョン？」
YG「ああ。なんかお前ソクジン皇子に似てきてない？」
テヒョンは何も言わず項垂れたままの百済王を見て、それからくるりと彼に背を向ける。
TH「行こう」
『あ…』
ぐいっと手を引かれて部屋から出て行こうとするテヒョンに付いていく。
ちょっと痛いくらい強く握られた腕に今は何も言えない。
言えないけど…
『テヒョン、待っ』
「待て」
私よりも強く呼び止めたその声に振り向くと、ホソク様と…彼に肩を借りたジョングクがいた。
TH「あなたが…次期百済王になりますか？」
HS「そうなりそうだよ。おかげさまで」
最初は警戒していた様子のホソク様だけど、テヒョンのきょと、とした表情に毒気を抜かれたのかすぐにやわらかい表情になった。
HS「今回の件は同盟国同士でしっかりと話し合う。
それから迷惑ついでに頼みがあるんだけど」
TH「え？」
HS「ジョングクを…
一緒に連れて行ってくれないか？」
JK「…っ、ヒョン」
HS「正しくは、ジョングクがAのそばにいることを許して欲しいんだよ」
ホソク様の言葉に、テヒョンの肩がピクリと動いた。
TH「…理由を」
それまで比較的柔軟な態度をとっていたテヒョンの変わりようにホソク様は驚いていたけれど、ちらりと私の方に視線をよこし、それからははーんみたいな顔をして再び口を開いた。
何さ。
HS「皇子は知ってるだろ？Aがどこから来た人間か」
TH「…どうして」
HS「ジョングクはAと同じところから来たんだ」
TH「…え？」
HS「だから、これは俺の勘だけどジョングクとAは一緒にいるべきだと思う」
TH「…」
『テヒョン…』
じっと押し黙って考える素振りを見せていたテヒョンだけど、次に顔を上げた時はさっきの険しい表情はどこかにいっていた。
TH「わかった。ジョングクは連れて行く。
だけど、」
HS「わかってる。今ここで別れた瞬間から、
俺たちは敵同士になる」
JK「…」
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ろび - 夢小説で泣いたのは初めてです。こんなありふれた言葉でしか感想を言えない自分が悔しいのですが、本当に感動しました。素敵な作品をありがとうございました！ (7月6日 18時) (
レス) @page50 id: ce68512d6b (このIDを非表示/違反報告)
neon(プロフ) - 終始最高の作品でした。後半なんかもうバスタオル必須で、言葉では表せない感動がこみあげてきます。お話の中に引き込まれてしまう感覚がとても心地よくて一気に読み進めてしまいました。素敵な作品をありがとうございます。 (2023年2月26日 3時) (レス) @page49 id: db36888990 (このIDを非表示/違反報告)
〇〇(プロフ) - こんなに作り込まれてて最後の伏線回収まで素晴らしい作品でしたありがとうございました！ (2023年2月6日 2時) (レス) @page50 id: dc7d3a4bc1 (このIDを非表示/違反報告)
みーちゃむ(プロフ) - 私の言葉で表せないくらい本当に感動するお話でした！一気読みさせていただいたのですが、ずっと涙がとまりませんでした。恋の行方だったり苦しい時代背景が相まって奥行きのある素敵なお話になっていました（ ; ; ）占ツク史上1番素敵なお話でした！！ (2023年1月1日 16時) (レス) @page50 id: ad70953f09 (このIDを非表示/違反報告)
hanako(プロフ) - 今まで1番読んでて面白いし止まらないし最高でした！！！ありがとうございます、、。 (2021年12月8日 3時) (レス) @page50 id: 9fa27182b4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ミロ
| 作成日時：2020年7月12日 22時
