百六十三話 ページ15
ホソク様に案内されるままに馬を走らせ、辿り着いたのは驚くことに王宮の目と鼻の先に位置する砦のような場所だった。
HS「
きょろきょろと首を振る私にホソク様がそっと教えてくれる。
王宮の北側に位置する扶蘇山城は、まさに山の要塞。城が攻め込まれた時の要になる大事な砦なんだろう。
でも、王に追われてる人がこんな所に来て大丈夫なんだろうか。
なんとなく不安で少し警戒しながら周りに目を配っていると、そんな私に気がついたお偉いさんぽい爺さんが訝しげな視線を向けて来た。
「皇子。何者ですか、この小汚い小僧は」
『あ！？おいコラじじい、表出ろよ』
「爺！？」
HS「ソンチュン、この子は女の子だよ」
「は！？まさか皇子の側室にでもするおつもりですか！？」
ありえない…！とでも言いたげな視線をよこしてくる爺に中指を立てる。
HS「んー、どちらかって言うと俺じゃなくてジョングクの、かな」
「…なにを！
…は？ジョングク様？」
ホソク様の言葉に一瞬劣化の如く怒ったソンチャンさんだけど、ジョングクの名前を聞いた瞬間、しゅるしゅるとその炎は消えてしまった。
「…生きていらっしゃる？」
ガッと肩を掴まれてこくこくと頷くと、ソンチュンさんはそのままがっくりと膝をついてしまった。
「…良かった…
本当に良かった…」
そう言って、ホソク様が彼の肩に触れるまでずっと、神様に祈るように頭を下げていた。
・
無事を喜ぶ人々に迎えられるホソク様を少し遠くで眺めていると、そんな私に気がついた彼が外へと連れ出してくれた。
扶蘇山の中でも一番高いところにある物見やぐらに登り、そこから顔を出すと断崖絶壁だし、真っ暗で何も見えなかったけれど、下の方から川の流れる音が聞こえた。
『なんかちょっと怖い場所ですね』
HS「そう？見上げてみたら変わるかも」
『え？』
ホソク様の言う通り、少しだけ身を乗り出して空を見上げると、無数の星達が輝いていて、その美しさに思わず声を上げた。
HS「…ここで」
『え？』
HS「この場所で俺は、初めてジョングクと出会った」
『…』
ずっとひっかかっていた違和感。
だって、この時代の彼の�爛献腑鵐哀��瓩狼玉召世辰燭呂困覆里法�
HS「俺とジョングクは本当の兄弟じゃない」
どうしてホソク様が、
あいつをその名前で呼ぶんだろうって。
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ろび - 夢小説で泣いたのは初めてです。こんなありふれた言葉でしか感想を言えない自分が悔しいのですが、本当に感動しました。素敵な作品をありがとうございました！ (7月6日 18時) (
レス) @page50 id: ce68512d6b (このIDを非表示/違反報告)
neon(プロフ) - 終始最高の作品でした。後半なんかもうバスタオル必須で、言葉では表せない感動がこみあげてきます。お話の中に引き込まれてしまう感覚がとても心地よくて一気に読み進めてしまいました。素敵な作品をありがとうございます。 (2023年2月26日 3時) (レス) @page49 id: db36888990 (このIDを非表示/違反報告)
〇〇(プロフ) - こんなに作り込まれてて最後の伏線回収まで素晴らしい作品でしたありがとうございました！ (2023年2月6日 2時) (レス) @page50 id: dc7d3a4bc1 (このIDを非表示/違反報告)
みーちゃむ(プロフ) - 私の言葉で表せないくらい本当に感動するお話でした！一気読みさせていただいたのですが、ずっと涙がとまりませんでした。恋の行方だったり苦しい時代背景が相まって奥行きのある素敵なお話になっていました（ ; ; ）占ツク史上1番素敵なお話でした！！ (2023年1月1日 16時) (レス) @page50 id: ad70953f09 (このIDを非表示/違反報告)
hanako(プロフ) - 今まで1番読んでて面白いし止まらないし最高でした！！！ありがとうございます、、。 (2021年12月8日 3時) (レス) @page50 id: 9fa27182b4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ミロ
| 作成日時：2020年7月12日 22時
