百五十九話 ページ11
・
『…ねぇ』
JK「…」
『おいこら聞いてんのか？』
JK「何？」
『何じゃないよ。どうなってんのこれ』
JK「んー…
ね？」
こてんと顔を傾けたジョングクの首に腕を回す。く、筋肉質！
無事に国境を越えて百済に入った私達。
新羅を抜けてからはずっと、現代にそのままの姿を残す
百済の都は
王城である泗沘城にたどり着いた所で冒頭に戻る。
世界文化遺産として後世にその姿を伝える王宮のなんと立派なこと。
それから。
『あんなに守りが固いなんて聞いてない！』
JK「どうしよっかなー」
城壁の外側から城の様子を覗き込んでひっくり返りそうになった。
城の前にスタンばってる兵士はざっと五十人ほど。
今から戦でもあるんか？と思ってしまう程の鉄壁の守りだけど、これが通常運転らしい。
ここにくるまでにいくつか衰退した村達を見た。
こんな無意味な配置に財力を使うよりも、守れた村があったはずだ。
JK「じゃあ、こうしよう」
『やだ』
JK「まだ何も言ってませんが？」
『どうせ自分が囮になるとか言い出すつもりでしょ？』
JK「…」
『やっぱり！この脳筋男めが』
JK「Aにだけは言われたくないんだけど？」
『うっせ！』
って、こんな言い合いしてる場合じゃないんだよ。
『こうしよう』
JK「無理」
『無理じゃない。お兄さんが捕らえられてる場所は大体わかるんでしょ？』
JK「うん。多分中宮殿の地下牢だと思う」
『私はそこが見当もつかない。今から私があいつら相手にするから、その混乱に乗じて城に忍び込んで』
JK「馬鹿。城への奇襲は捕まったら即斬首だよ」
『捕まらなければいい話でしょ。大丈夫。私足速いし』
怪我も大体治ったし。
それに、もう後戻りは出来ない。
JK「ねぇ。
なんか生き急いでない？」
『…』
そうかもしれない。
別れ際のジミンの苦しそうな顔だとか、私の名前を呼ぶテヒョンの声だとか、そんなものを思い出してしまわないように今は目の前の事に全力で身を投じていたい。
『とりあえず、行くわ』
JK「あ、おい！」
ジョングクが呼び止める声も無視して城壁を飛び越えた。
やっぱり、スニーカーが一番だなぁなんて思いながらすっかり愛刀となったサビ刀を構えた私に、目の前の兵達が侵入者だと声を上げる。
この感じ、戦以来だ。
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ろび - 夢小説で泣いたのは初めてです。こんなありふれた言葉でしか感想を言えない自分が悔しいのですが、本当に感動しました。素敵な作品をありがとうございました！ (7月6日 18時) (
レス) @page50 id: ce68512d6b (このIDを非表示/違反報告)
neon(プロフ) - 終始最高の作品でした。後半なんかもうバスタオル必須で、言葉では表せない感動がこみあげてきます。お話の中に引き込まれてしまう感覚がとても心地よくて一気に読み進めてしまいました。素敵な作品をありがとうございます。 (2023年2月26日 3時) (レス) @page49 id: db36888990 (このIDを非表示/違反報告)
〇〇(プロフ) - こんなに作り込まれてて最後の伏線回収まで素晴らしい作品でしたありがとうございました！ (2023年2月6日 2時) (レス) @page50 id: dc7d3a4bc1 (このIDを非表示/違反報告)
みーちゃむ(プロフ) - 私の言葉で表せないくらい本当に感動するお話でした！一気読みさせていただいたのですが、ずっと涙がとまりませんでした。恋の行方だったり苦しい時代背景が相まって奥行きのある素敵なお話になっていました（ ; ; ）占ツク史上1番素敵なお話でした！！ (2023年1月1日 16時) (レス) @page50 id: ad70953f09 (このIDを非表示/違反報告)
hanako(プロフ) - 今まで1番読んでて面白いし止まらないし最高でした！！！ありがとうございます、、。 (2021年12月8日 3時) (レス) @page50 id: 9fa27182b4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ミロ
| 作成日時：2020年7月12日 22時
