五十七話 ページ8
ピリッと。
空気が変わるのを感じた。
「お前が、第三皇子の護衛か?」
『…はい。』
重そうな鎧を見に纏い、高い位置から私を見下ろす男。
圧倒的な存在感に、呼吸をするのが苦しく感じる。
「お前のような者に皇子が守れるのか?」
唇の端を少しだけ持ち上げて、挑発的な笑顔を見せる。
空気が重い。
こんな人、今まで出会ったことがない。
『守りますよ。そのためにここにいます。』
喉の奥が熱くて、声は少し震えたけれど、そう言った私に男はフッと笑うと他の兵士達を引き連れて会議室の方へ歩いて行った。
YG「…お前、ほんと怖いもんねーのな。」
『怖かったですって!手震えてますもん!誰なんですかあの人!』
どはっと息を吐く私にユンギさんは知らないのか!?と素っ頓狂な声をあげる。
YG「新羅一の将軍だよ。
先の戦でも武功をあげまくった現王の片腕。」
『ええっ』
確かに、ものすごい迫力だったけれども。
そんな人が一体何をしに…。
『まさか!』
ハッとユンギさんと顔を見合わせて、急いで会議室へと向かう。
扉に手をかけようとしたところで兵士に止められたけれども、中の会話は外まで聞こえてきた。
JN「シン将軍。
お前は国境近くの城を守っていたはずだが?」
SN「そのことで報告せねばならないことがあり参上しました。」
JN「何だ?」
SN「国境北部の城が百済の軍により城攻めにあっております。今すぐ援軍を送っていただきたい。」
『…っ』
会議室の張り詰めた空気が外までも伝わってきた。
JN「わかった。
すぐに号令をかけ、準備出来次第兵を向かわせる。
指揮はお前に任せよう。」
SN「御意。」
バタバタと中が慌ただしくなった音が聞こえ、ユンギさんにひっぱられて急いで扉の前を離れる。
YG「おい、大丈夫か?」
『…、
戦が、始まるってことですよね?』
ユンギさんの腕を掴み、問いかけた私に、彼は声を出さずに首を振った。
YG「既に今、その場所では始まってるんだよ。」
今この瞬間も、どこかで人々が戦っている。
それなのに、私の頭の中はテヒョンの笑顔ばかりが浮かんでいた。
・
『テヒョン!』
TH「A。
どうしたの、そんな顔して。」
夜、部屋に帰ってきたテヒョンの両手を掴むと、彼は驚いた表情を浮かべた。
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ミロ(プロフ) - 1ちゃんさん» やったー!とっても嬉しいです!(*^^*)続きも更新頑張りますね!もう少しで公開できます!遅くなり申し訳ないです…!! (2020年6月16日 12時) (レス) id: 4091476ef1 (このIDを非表示/違反報告)
ミロ(プロフ) - あとさん» わぁ!それはすごく嬉しいご報告です!(*^^*)こちらこそ今までもお世話になっています!!世界観が好きと言ってもらえてとても安心しています。これからも仲良くしていただけるとうれしいです!コメントありがとうございました!(*^^*) (2020年6月16日 12時) (レス) id: 4091476ef1 (このIDを非表示/違反報告)
ミロ(プロフ) - よしほさん» 嬉しいです!続き頑張りますね!(*^^*)(返信してしまいました…!) (2020年6月16日 12時) (レス) id: 4091476ef1 (このIDを非表示/違反報告)
ミロ(プロフ) - てじそく.さん» てじそくさん…なんて嬉しいお言葉をくださるのですか!!( ; ; )本当に読んでいただきとても幸せです!これからも頑張ろうと思えます!!そうやって読んでもらえる話をこれからも増やせるように、頑張っていきますね!(*^▽^*) (2020年6月16日 12時) (レス) id: 4091476ef1 (このIDを非表示/違反報告)
ミロ(プロフ) - Caramelさん» ドラマ化!テンション上がっちゃいました(*^^*)そうなんですよー!通勤電車とかわりと本当に倒れそうになります(`・ω・´)caramelさんもお体気をつけてくださいね!(*´∀`*) (2020年6月16日 12時) (レス) id: 4091476ef1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ミロ | 作成日時:2020年5月15日 23時