検索窓
今日:22 hit、昨日:46 hit、合計:999,048 hit

九十六話 ページ47

JM「大丈夫。このくらいで死んだりしない。だから、」
『…、

わ、かった』



強い目で射抜かれて、後ろ髪を惹かれる思いで立ち上がる。
ジミンが心配だけど…、

 

『捕まえて、すぐに戻る。テヒョン、ジミンをお願い!』

 

彼は今、身を呈してテヒョンのことを守った。
私も、自分に出来ることをすべきだ。


矢の飛んできた方向に走り、人が通った跡の残る草木がかき分けられた道を選んで進む。

ああ、もう。体に当たるツタや枝が邪魔で仕方がない。

 


それから…



 



『…なんで、ついて来てるの!?』
JK「お前一人じゃ逃がすかもしれないだろ」

 


さっきからずっと後を追いかけてくるジョングクを振り返ると、涼しい顔してそんなことを言う。


 

JK「それに、なんか面白そうだし」
『っ!』









 





バチン…と、私達の荒い息遣い以外聞こえない静かな森に鋭い炸裂音が響いた。



 





 






JK「…、

何すんの」
『…もうあんた、ついてくるな』


 

私に思い切り叩かれた頬に触れ、無表情で見下ろしてくるジョングクを睨みあげる。


 


JK「何で怒ってるわけ?」
『怒るよ!

ジミンが大怪我してるんだよ!?
それなのに面白い?ふざけないで』
JK「…」


 
『…あんた、やっぱり最低だ』



 


少しだけ目を見開いたジョングクを残し、振り返らずに再び走り出す。

 

いらないことに時間を使ってしまった。

だけど、許せなかった。
あいつの言葉にも。あんなやつを彼に似てると思ってしまった自分自身も。

ジョングクは、口は悪かったけど、友達や、周りの人間を大切にする人だった。
誰かが傷ついてる時に、あんな平気な顔でいられる人じゃなかった。


 





森の端っこ。
たくさんの光が差し込む場所を抜け出したその時、

 

 






『…っ』

 


頰のすぐ横を矢がかすっていった。



 








「…来るな!」

『あんたは…』


 

弓を構え、ギリギリまで弦を引き絞った男は、一歩近づいた私を見て、更に一本矢を放った。

左腕のすぐ横を通過していったそれは、私に傷を与えることはなく。

矢を放った瞬間に更に距離を縮めると、彼の後ろの地形に気がついて足を止める。


 

『ねぇ。危ないよ』
「…」
『もう諦めなよ。あんたは逃げられない』

 


ジリジリと後退り、怯えた目で私を見るその男は、今朝ソンミンに虐げられていた子だった。



彼の後ろには、地面がない。

…崖になっている。

 

九十七話→←九十五話



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 10.0/10 (1247 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
3428人がお気に入り
設定タグ:BTS , 防弾少年団   
作品ジャンル:ファンタジー
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

ミロ(プロフ) - 1ちゃんさん» やったー!とっても嬉しいです!(*^^*)続きも更新頑張りますね!もう少しで公開できます!遅くなり申し訳ないです…!! (2020年6月16日 12時) (レス) id: 4091476ef1 (このIDを非表示/違反報告)
ミロ(プロフ) - あとさん» わぁ!それはすごく嬉しいご報告です!(*^^*)こちらこそ今までもお世話になっています!!世界観が好きと言ってもらえてとても安心しています。これからも仲良くしていただけるとうれしいです!コメントありがとうございました!(*^^*) (2020年6月16日 12時) (レス) id: 4091476ef1 (このIDを非表示/違反報告)
ミロ(プロフ) - よしほさん» 嬉しいです!続き頑張りますね!(*^^*)(返信してしまいました…!) (2020年6月16日 12時) (レス) id: 4091476ef1 (このIDを非表示/違反報告)
ミロ(プロフ) - てじそく.さん» てじそくさん…なんて嬉しいお言葉をくださるのですか!!( ; ; )本当に読んでいただきとても幸せです!これからも頑張ろうと思えます!!そうやって読んでもらえる話をこれからも増やせるように、頑張っていきますね!(*^▽^*) (2020年6月16日 12時) (レス) id: 4091476ef1 (このIDを非表示/違反報告)
ミロ(プロフ) - Caramelさん» ドラマ化!テンション上がっちゃいました(*^^*)そうなんですよー!通勤電車とかわりと本当に倒れそうになります(`・ω・´)caramelさんもお体気をつけてくださいね!(*´∀`*) (2020年6月16日 12時) (レス) id: 4091476ef1 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:ミロ | 作成日時:2020年5月15日 23時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。