九十一話【JM】 ページ42
ゴトッと物音がして、目を覚ます。
暗闇に目をこらすと、Aが使うことになってたはずの寝台の上で二つの影が重なっていた。
さっき、ぼそぼそと二人が話しているのは確認したけれど、まさかこんなところで何かしでかすつもりじゃないだろうなと思って体を起こす。
「…っ、」
だけど、
目に飛び込んできたのは、思っていたよりもずっと殺伐とした光景だった。
「テヒョン様、」
TH「大丈夫だよ、ジミン」
そう言ったテヒョン様は片手に眠るAを抱えたまま、もう片方の手には刀を持ち、その刃先は…
JK「心外ですね。厠に行こうと思っただけなのに」
TH「…」
今日初めて出会った、ジョングクという男の喉元にあてがわれていた。
JK「通りがかっただけですよ。
外に行くにはこの前を通らなきゃいけない。なにぶん狭い部屋ですから」
TH「そっか。それは悪かったね」
いいえ。とにこりと笑うジョングクに、同じような笑顔を返すテヒョン様。
さっきも思ったけど、この二人、険悪すぎる。
JK「これ、下ろしてもらえます?」
自分の首元に視線を下ろしたジョングクは、そのまま寝台に座るテヒョン様を冷たい目で見下ろす。
TH「その前に。
お前は何者?なんでAの事を知ってるの?」
JK「…兵役のために上京しました。Aとは皇子立ち会いのもと力量を見ていただくために相手をしてもらっただけです」
TH「それだけ?」
JK「それ以外に何が?」
くすっと笑ったジョングクに、ゆっくりと刀を下ろしたテヒョン様は、こんな状況だというのに呑気に寝たままのAを両手でぎゅっと抱きしめた。
TH「ジョングク。お前が何者だったとしても、Aに何かしたら、その時は許さない」
JK「想い合ってるんですね。
同じようなことをそいつにも言われました」
TH「…そう」
ふっと表情を和らげたテヒョン様は、自分の腕の中にすっぽりと包まれるようにして眠るAを愛しくてたまらないという目で見つめる。
ちょっと、
ゾクってしてしまう程の視線。
俺が狼狽えてどうするんだよ。
TH「なら改めて…今日からよろしく」
JK「仲良くできそうで良かったです」
頭を下げて出ていったジョングクは、やっぱりちょっと読めない男。
もしテヒョン様やAに危害を与えるようなら…
俺は迷わずあいつを切るだろう。
必ず二人を守る。
そのために俺はここに来たのだから。
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ミロ(プロフ) - 1ちゃんさん» やったー!とっても嬉しいです!(*^^*)続きも更新頑張りますね!もう少しで公開できます!遅くなり申し訳ないです…!! (2020年6月16日 12時) (レス) id: 4091476ef1 (このIDを非表示/違反報告)
ミロ(プロフ) - あとさん» わぁ!それはすごく嬉しいご報告です!(*^^*)こちらこそ今までもお世話になっています!!世界観が好きと言ってもらえてとても安心しています。これからも仲良くしていただけるとうれしいです!コメントありがとうございました!(*^^*) (2020年6月16日 12時) (レス) id: 4091476ef1 (このIDを非表示/違反報告)
ミロ(プロフ) - よしほさん» 嬉しいです!続き頑張りますね!(*^^*)(返信してしまいました…!) (2020年6月16日 12時) (レス) id: 4091476ef1 (このIDを非表示/違反報告)
ミロ(プロフ) - てじそく.さん» てじそくさん…なんて嬉しいお言葉をくださるのですか!!( ; ; )本当に読んでいただきとても幸せです!これからも頑張ろうと思えます!!そうやって読んでもらえる話をこれからも増やせるように、頑張っていきますね!(*^▽^*) (2020年6月16日 12時) (レス) id: 4091476ef1 (このIDを非表示/違反報告)
ミロ(プロフ) - Caramelさん» ドラマ化!テンション上がっちゃいました(*^^*)そうなんですよー!通勤電車とかわりと本当に倒れそうになります(`・ω・´)caramelさんもお体気をつけてくださいね!(*´∀`*) (2020年6月16日 12時) (レス) id: 4091476ef1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ミロ | 作成日時:2020年5月15日 23時