七十六話 ページ27
・
結局。
今回の戦で新羅が奪われた城の数は三十以上。
圧倒的な戦力の差は、やはり百済と高句麗が手を結んだことに他ならない。
この敗戦を受け、親唐派はますます唐との同盟を至急にという声を大きくし、反唐派との対立は激しくなった。
だけど、このままでは百済・高句麗に国を奪われてしまうのは時間の問題だった。
いずれにせよ、新羅は変わらなくてはならない。
『汐恩ー!お見舞いきたよーっ!
って、ソクジンさんいたんすね。』
JN「随分な挨拶だな。」
森の中でテヒョンと再会した後、
それからは百済兵に見つかることもなく無事に新羅へと戻ってくることが出来た。
帰ってきたテヒョンを見て、ナムジュンさんは初めて出会った時に見たように強く彼を抱きしめ、ソクジンさんは心から安心したようにため息をついていた。
ただ、汐恩の怪我の具合が思っていた以上に悪く、あれから十日ほどが立った今も、寝台から動けずにいた。
JN「お前に話があったんだよ。」
『え?何ですか?』
お見舞いに持ってきた林檎をむさぼっていると、他の二人の表情が真剣なものに変わったので姿勢を正す。
SI「前にも少しお前に話してた件なんだけど…」
『…うん。』
JN「Aに、花郎になって欲しいんだ。」
『…え。』
花郎…って、
『それって、軍事組織みたいなものですよね?
でも私はテヒョンの、』
JN「花郎徒に入ることがテヒョンを守ることに繋がる。」
『…どういうことですか?』
SI「俺が
『うん…』
SI「…俺はもう、剣を振るえそうにない。」
『えっ』
腕を押さえ、困ったように笑う汐恩にぐっと唇を噛み締める。
SI「一応、今まで通り指導者として籍は置くつもりだけど、それだけだと俺がやってきたもう一つの仕事が出来なくなる。」
『もう一つの仕事?』
JN「…花郎っていう組織はね、未来の朝廷と言っても過言じゃないんだよ。」
ソクジンさんの言葉に、なるほど。と頷く。
花郎になるのは、皆、高貴な家柄の若い青年ばかり。
将来的には朝廷で力を持つ役職を得ることが約束されているような。
SI「俺はあそこで、誰が王家の敵で…
または誰が味方になり得るかを見極めていた。」
3428人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ミロ(プロフ) - 1ちゃんさん» やったー!とっても嬉しいです!(*^^*)続きも更新頑張りますね!もう少しで公開できます!遅くなり申し訳ないです…!! (2020年6月16日 12時) (レス) id: 4091476ef1 (このIDを非表示/違反報告)
ミロ(プロフ) - あとさん» わぁ!それはすごく嬉しいご報告です!(*^^*)こちらこそ今までもお世話になっています!!世界観が好きと言ってもらえてとても安心しています。これからも仲良くしていただけるとうれしいです!コメントありがとうございました!(*^^*) (2020年6月16日 12時) (レス) id: 4091476ef1 (このIDを非表示/違反報告)
ミロ(プロフ) - よしほさん» 嬉しいです!続き頑張りますね!(*^^*)(返信してしまいました…!) (2020年6月16日 12時) (レス) id: 4091476ef1 (このIDを非表示/違反報告)
ミロ(プロフ) - てじそく.さん» てじそくさん…なんて嬉しいお言葉をくださるのですか!!( ; ; )本当に読んでいただきとても幸せです!これからも頑張ろうと思えます!!そうやって読んでもらえる話をこれからも増やせるように、頑張っていきますね!(*^▽^*) (2020年6月16日 12時) (レス) id: 4091476ef1 (このIDを非表示/違反報告)
ミロ(プロフ) - Caramelさん» ドラマ化!テンション上がっちゃいました(*^^*)そうなんですよー!通勤電車とかわりと本当に倒れそうになります(`・ω・´)caramelさんもお体気をつけてくださいね!(*´∀`*) (2020年6月16日 12時) (レス) id: 4091476ef1 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:ミロ | 作成日時:2020年5月15日 23時