七十三話 ページ24
「ジョングク…?」
『っ、』
その顔も、その声も、私の知ってるジョングクで間違いないはずなのに。
「お前、何者だ?」
ジョングクじゃ、ないの?
訝しげに私を見つめるその目は偽っているようには見えない。
JM「汐恩!しっかりして!」
『!
汐恩…っ』
ジミンの叫ぶような声に振り向くと、彼に支えられた汐恩が切られた腕の傷を抑えながら大量の汗をかいていた。
『汐恩、待ってて、すぐに消毒する!』
SI「大丈夫だ。
それよりAはさっきのやつを…」
思わずかけよった私の腕をぐっと掴んだ汐恩が睨む方に目を向けると、ジョングク…に似た男が彼を呼びにきた百済兵と共にここから引き上げようとしていた。
JM「どうする…?」
『…今は深追いする必要はないよ。
それより早く汐恩の手当てをしないと。』
そうだよ。
ジョングクがここにいるはずないんだ。
そう思いながらも、心臓はドクドクと音を立て、去っていく男の姿を睨みつけながら、さっき聞いた懐かしい彼の声が耳から離れることはなかった。
・
SI「いってぇぇええ!!」
『我慢して!』
JM「痛いよね、それ。わかる。」
万が一に備えて、あのドクターバッグから持ってきていた消毒液。
男の人ってほんとに痛みに弱いなぁと思いつつ容赦なく傷口を洗うように垂らしてガーゼで覆う。
それから…
『これでよし、と。』
SI「おい、なんだよこれ。腕が動かせねー。」
『動かさないようにしてるんだよ。』
三角巾で腕を固定すると、不自由さが不快なのか汐恩が不満そうに腕をパタパタと動かす。だから動かすなっての。
注意しようとすると、ふらっと倒れた汐恩をジミンが慌てて受け止める。
JM「…熱が高いね。」
『!
ここに来る途中に川があったよね?
私、水を汲んでくるからジミンと汐恩はここにいて。』
SI「A。
俺はいいから、お前はテヒョン様を、」
『テヒョンはきっと大丈夫だよ。
すぐ戻るから、それから三人で一緒に追おう。』
馬を走らせて数分としない内に、森の中を流れる川を見つけた。
川岸に降りて竹筒に水を汲み、ふと流れる水面にゆらりと写った自分の姿を見てハッとする。
『おいAどうした?
馴染みすぎだろが…』
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ミロ(プロフ) - 1ちゃんさん» やったー!とっても嬉しいです!(*^^*)続きも更新頑張りますね!もう少しで公開できます!遅くなり申し訳ないです…!! (2020年6月16日 12時) (レス) id: 4091476ef1 (このIDを非表示/違反報告)
ミロ(プロフ) - あとさん» わぁ!それはすごく嬉しいご報告です!(*^^*)こちらこそ今までもお世話になっています!!世界観が好きと言ってもらえてとても安心しています。これからも仲良くしていただけるとうれしいです!コメントありがとうございました!(*^^*) (2020年6月16日 12時) (レス) id: 4091476ef1 (このIDを非表示/違反報告)
ミロ(プロフ) - よしほさん» 嬉しいです!続き頑張りますね!(*^^*)(返信してしまいました…!) (2020年6月16日 12時) (レス) id: 4091476ef1 (このIDを非表示/違反報告)
ミロ(プロフ) - てじそく.さん» てじそくさん…なんて嬉しいお言葉をくださるのですか!!( ; ; )本当に読んでいただきとても幸せです!これからも頑張ろうと思えます!!そうやって読んでもらえる話をこれからも増やせるように、頑張っていきますね!(*^▽^*) (2020年6月16日 12時) (レス) id: 4091476ef1 (このIDを非表示/違反報告)
ミロ(プロフ) - Caramelさん» ドラマ化!テンション上がっちゃいました(*^^*)そうなんですよー!通勤電車とかわりと本当に倒れそうになります(`・ω・´)caramelさんもお体気をつけてくださいね!(*´∀`*) (2020年6月16日 12時) (レス) id: 4091476ef1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ミロ | 作成日時:2020年5月15日 23時