五十二話 ページ3
TH「あっちから出たらヒョン達に見つかっちゃうでしょ?」
『お?』
TH「いつもこっそり抜け出すときは裏の門から出てるの。」
わあ。なんて悪い皇子様でしょう。
テヒョンの言うとおり、お城の敷地をぐるりと囲む石垣沿いに歩いていくと、小さな扉を発見した。
彼に続き、身を屈めてその扉を通り抜けると…
TH「脱出成功!」
『いぇーい!』
TH「?」
うまく城から出ることに成功した私たちは、人目もはばからずにはしゃぎまくり、嬉しくてハイタッチしようと両手をテヒョンに向けると彼は不思議そうに首をかしげた。
『そっか。
こういう時はねー、テヒョンも同じように手を出して?』
TH「こう?」
『そう!』
出された彼の大きな手のひらにパチンと手を合わせると、おお。と目をぱちくりしたテヒョンに笑う。
『ハイタッチ』
TH「はいたっち。
ふーん。ひひ、楽しいね。」
『あっ、…うん。』
重なった手の指を折り曲げ、両手をぎゅっと握られてまたどきっとしてしまった。
だめだこれ。完全に雰囲気にのまれてる。
『そういえばさ、ずっと聞きたかったんだけど、テヒョンはどうしてその髪型なの?』
TH「髪?ああ、短いの?」
この時代の人たちは、男の人でも長い髪の毛を後ろで結んでたりする人が多いのに、テヒョンは現代の男の子たちみたいな髪型をしている。
TH「だって、こっちのほうが楽だもん。」
『なるほど』
なんともテヒョンらしい。
TH「城の人間からは色々言われるけど、俺が勝手に切っちゃうからそのうちなんにも言われなくなった。」
くひひっと笑うテヒョンを見て彼の従者さん達の心中をお察しする。
『私の時代では皆そんな髪型をしてるから、テヒョンは最先端を生きる皇子様だね。』
TH「そうなんだ…。
ねぇ、Aの時代では、こうやって男女が出かけることをなんて言うの?」
『ええ!?
うーん、やっぱり、デートかな?』
TH「でーと。ふーん。」
デートの言葉の響きが気に入ったらしいテヒョンはそれから王都に入るまでの間、何かとデートと口に出しては笑っていた。
『おお。なんか今日は一段と』
TH「人が多いねー」
都の中心地まで行くと人の往来が一気に増えたので驚く。
TH「離れちゃだめだよ。」
『うんっ』
慣れない服装に所在無さげに歩く私をぐっと引き寄せてくれたテヒョンのおかげでふらつかずに歩くことが出来た。
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ミロ(プロフ) - 1ちゃんさん» やったー!とっても嬉しいです!(*^^*)続きも更新頑張りますね!もう少しで公開できます!遅くなり申し訳ないです…!! (2020年6月16日 12時) (レス) id: 4091476ef1 (このIDを非表示/違反報告)
ミロ(プロフ) - あとさん» わぁ!それはすごく嬉しいご報告です!(*^^*)こちらこそ今までもお世話になっています!!世界観が好きと言ってもらえてとても安心しています。これからも仲良くしていただけるとうれしいです!コメントありがとうございました!(*^^*) (2020年6月16日 12時) (レス) id: 4091476ef1 (このIDを非表示/違反報告)
ミロ(プロフ) - よしほさん» 嬉しいです!続き頑張りますね!(*^^*)(返信してしまいました…!) (2020年6月16日 12時) (レス) id: 4091476ef1 (このIDを非表示/違反報告)
ミロ(プロフ) - てじそく.さん» てじそくさん…なんて嬉しいお言葉をくださるのですか!!( ; ; )本当に読んでいただきとても幸せです!これからも頑張ろうと思えます!!そうやって読んでもらえる話をこれからも増やせるように、頑張っていきますね!(*^▽^*) (2020年6月16日 12時) (レス) id: 4091476ef1 (このIDを非表示/違反報告)
ミロ(プロフ) - Caramelさん» ドラマ化!テンション上がっちゃいました(*^^*)そうなんですよー!通勤電車とかわりと本当に倒れそうになります(`・ω・´)caramelさんもお体気をつけてくださいね!(*´∀`*) (2020年6月16日 12時) (レス) id: 4091476ef1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ミロ | 作成日時:2020年5月15日 23時