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六十六話 ページ17

JM「テヒョンの所に行くには、この死地をかいくぐって城に入らなきゃいけない。


…A?」



 

ジミンの声が、どこか遠くの方で聞こえる気がした。

 
馬から飛び降り、地面に手をつき、込み上げてきたものを吐き出す。



 

 


ほんとだ。

ジミンの言う通りだった。

 


私、戦がどういうものか、ちゃんとわかってなかったよ。

こんなにも人が死んでいるというのに、その奥の城付近ではまだ戦ってる人達がいる。


 

背中をさすられて顔を上げると、ジミンが悲痛そうな表情で私の隣にしゃがみ込んでくれていた。



 


JM「初めてなら、無理ないよ。」

『…』

JM「こんなことが一体いつまで続くんだろう。」


 

何のために、こんなことを繰り返すんだろう。

改めて、戦争のない時代に生まれた自分がどれだけ幸せだったのかを思い知る。



 
JM「少し辺りを見てくるね。突破しやすい道を探す。」

『…うん。』



 



背けていた目を、もう一度倒れている人々へと向ける


年老いた人、年若い人…

 

『っ!』


 
女の人まで…。

痛かっただろうな、苦しかっただろうな。

 



地面に膝をつき、両手を額の前で合わせ、二度頭を下げる。

こんなことで弔いになるとは思わないけれど。

どうか次に生まれてくる時は、戦争のない時代であるよう祈るような思いで。






 









「…君は、何者?」

『っ!』

 



頰に触れた冷たい感覚に、瞬時に身を翻して刀を抜く。

私の首元に槍の刃先をあてがうその男は、女?と小さく口を動かして眉を潜めた。


 

「そこで死んでいる者達の中には百済の兵もいる。

お前は新羅の者だろ?
どうして敬拝した?」

『…亡くなってしまったらもう…
敵も味方もないと思います。』

「…。」

 

 


「ホソク様!
そろそろ佳境です、城へ向かいましょう。

その娘は…?」

「すぐ行く。



…名前を聞いてもいい?」

『キム・A…です。』

「A。

同じ考えを持つ人間とは初めて出会ったよ。」
 




そう言って綺麗に微笑むと、そのまま呼びに来た兵の元へと行ってしまった。


 

おかしな人だったな。

鎧の色が違うから、恐らく百済の兵だと思うけど。





 


JM「A!」

『あ、ジミン』

JM「びっくりした…っ、今敵方の兵といなかった?」

『うん。そうなんだけど…』


 

敵か。

そうだ、新羅兵(わたし)からしたらさっきの人は敵なんだ。

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作品ジャンル:ファンタジー
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ミロ(プロフ) - 1ちゃんさん» やったー!とっても嬉しいです!(*^^*)続きも更新頑張りますね!もう少しで公開できます!遅くなり申し訳ないです…!! (2020年6月16日 12時) (レス) id: 4091476ef1 (このIDを非表示/違反報告)
ミロ(プロフ) - あとさん» わぁ!それはすごく嬉しいご報告です!(*^^*)こちらこそ今までもお世話になっています!!世界観が好きと言ってもらえてとても安心しています。これからも仲良くしていただけるとうれしいです!コメントありがとうございました!(*^^*) (2020年6月16日 12時) (レス) id: 4091476ef1 (このIDを非表示/違反報告)
ミロ(プロフ) - よしほさん» 嬉しいです!続き頑張りますね!(*^^*)(返信してしまいました…!) (2020年6月16日 12時) (レス) id: 4091476ef1 (このIDを非表示/違反報告)
ミロ(プロフ) - てじそく.さん» てじそくさん…なんて嬉しいお言葉をくださるのですか!!( ; ; )本当に読んでいただきとても幸せです!これからも頑張ろうと思えます!!そうやって読んでもらえる話をこれからも増やせるように、頑張っていきますね!(*^▽^*) (2020年6月16日 12時) (レス) id: 4091476ef1 (このIDを非表示/違反報告)
ミロ(プロフ) - Caramelさん» ドラマ化!テンション上がっちゃいました(*^^*)そうなんですよー!通勤電車とかわりと本当に倒れそうになります(`・ω・´)caramelさんもお体気をつけてくださいね!(*´∀`*) (2020年6月16日 12時) (レス) id: 4091476ef1 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ミロ | 作成日時:2020年5月15日 23時

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