episode 53 ページ6
どさりと倒れ込んできたジョングクを慌てて受け止めると、彼の頭に触れた手に血が伝う。
出血の多さにゾッとしたけれど、気を失っているだけで、息はしている。
「…時間が無いんですよ。
手間かけさせないでください。」
血のついた鉄パイプを握りしめて近づく男。
あんなもので人を殴るなんて…っ
『この、人でなし…』
「今更ですか？」
もう一度鉄パイプを頭上に振り上げた男を見て、先ほどジョングクに気絶させられた男が持っていた銃を奪い取り、震える手で、それを自分のこめかみに当てる。
「…なんのつもりですか？」
『見てわからない？
ジョングクに手を出したら、私はこの場で死ぬ。』
「お好きにどうぞ？
あなたが死んでも我々は困らない。
仕事が減るだけでむしろ助かりますよ。」
『知ってるんだから。
あなた達の世界で、依頼は絶対でしょ？
この場で私が死んだら、任務は失敗になる。』
一か八かの賭けだった。
もちろん死ぬ気なんてないし、引き金の弾き方だってわからない。
「…わかりました。
こちらも時間がない。
あなた達の仲間が警戒してましたからね。気づかれるのも時間の問題でしょう。
予定とは違いますが、2人とも連れて行くことにします。」
『…。』
男が合図をすると、別の男がやってきて、ジョングクを担いで止めてあったトラックの荷台に投げ入れた。
『…！ちょっと乱暴しないで！！』
それを追うように荷台に乗り込んだ瞬間、背後から強い衝撃を感じ、少しずつ視界が暗くなっていった。
トラックの扉が閉まったせいか、
気を失ったからなのか、
それはもうわからなかったけれど。
＿＿＿＿＿＿＿
＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿
＿＿＿＿
ガタガタと体を揺らす振動に、ゆっくりと瞳を開ける。
が、視界は真っ暗で、まるでまだ夢の中にいるようだった。
『ったぁ…っ』
起き上がった拍子に後頭部がズキン、と痛む。
その痛みに、やっと先程起こった出来事を思い出した。
ジョングクが殴られて、車に乗せられて、それから…どうやら私も殴られて気を失っていたようだ。
一体どれくらいの時間が経ったんだろう。車に乗せられてどのくらいの距離を走ってきたのかもわからない。
だけど、今はそれよりも、
『ジョングク…？
いるの！？』
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ひな(プロフ) - もうみろさんだいすき（；＿；） (2022年8月21日 5時) (
レス) @page50 id: 09534d5dfc (このIDを非表示/違反報告)
いちご(プロフ) - ぜひ続編がみたいです。もう一度みんなに再開して欲しい。なんなら私がみんなに会いたい！！！！！ (2022年3月17日 23時) (レス) @page50 id: 0357050ae1 (このIDを非表示/違反報告)
uu yy(プロフ) - 一度この話を読んでから、お気に入りにしなかったことを後悔してずっと探してました泣やって見つけて読むことができて嬉しいです。。。続編あったら嬉しいです;; (2022年2月10日 22時) (レス) @page50 id: f74579c402 (このIDを非表示/違反報告)
noa - はじめて読ませていただきましたが、どっぷりハマってしまいました！！！ご負担にならなければぜびぜひ続編が読みたいです！！主人公ちゃんが誰とであっても結ばれるまでを見届けさせていただきたいです！ (2022年1月21日 18時) (レス) @page50 id: dd225462d4 (このIDを非表示/違反報告)
vkc(プロフ) - 長らくエイターで最近btsにハマったので、このお話めちゃくちゃ感動しました。本気でbtsにパッチの世界観をミロさんのお話で再現してほしいです。素敵ならお話ありがとうございました！ (2021年9月5日 2時) (レス) id: 4cd40e2bb7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ミロ
| 作成日時：2020年1月6日 23時
