episode 50 ページ3
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前と比べてジョングクの雰囲気が変わったような気がする。
前までは近寄ったらぶん殴るくらいの凄みを効かせていたのに、今ではそれがない。
ふと、ショップのウィンドウに映る自分たちの姿が目に入る。
長身でスタイルのいいジョングクと、ちんちくりんな男の子の姿をした私。
『公開処刑も良いところだわ。』
JK「?」
やっぱり今日も、通りすがる女の人たちは皆ジョングクに目を奪われている。
と、
「あの、本日サービスデーとなっておりますので、よろしければ!」
JK「え?いらないんだけど…」
「是非!!!」
戸惑うジョングクに無理やり割引券を渡したアイスクリームショップのお姉さんは、嬉しそうに頬を染めて他の店員さん達の元へと戻っていった。
JK「どうしよ、これ。」
『…』
JK「食べたいんだね。」
よだれを垂らさんばかりの私の顔を見て、ふっと笑うと、私の手を引いてショップへと向かうジョングク。
こんな笑顔も今まで見せなかった顔だから、ちょっとドキドキしてしまうよ。
自然と手まで繋いじゃってるし。男装効果すごいなと思いながらも、外野の変なスイッチを押しちゃった感は否めない。なんか湧いてるもん。
JK「買ってくるから、そこから動かないでよ。」
『わかった。』
スタスタと歩いていくジョングクの後ろ姿を見つめながら、なんかちょっとデートみたいだなと思って笑う。
思えばさっきのシュガさんとの時間もそうだったんだけど、あれはどっちかって言うと親戚のおじさんに遊びに付き合ってもらってるような感覚だった。
なのに、そんなシュガさんに泣きついてしまった。
『…っ』
先程の自分の醜態を思い出し、顔に熱が集まるのを感じる。
パタパタと手のひらでほっぺたを冷ましていると、
『ん…?』
近くから子どもの泣き声が聞こえてきた。
あたりを見回すと、転んでしまったのか地面にしゃがみこんで泣いている女の子の姿を見つけた。
『ちょっとくらいなら…』
この場所から離れるなと言われたけれど、少しくらいなら大丈夫だろうと、その女の子のもとまで駆け寄る。
『大丈夫?転んじゃったの?』
「…うん、オンマいないの…」
『迷子?なら、お姉ちゃんが探してあげるね!』
「おねえちゃん?おにいちゃんじゃなくて…?」
『あ、そうそうお兄ちゃんが!』
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ひな(プロフ) - もうみろさんだいすき(;_;) (2022年8月21日 5時) (レス) @page50 id: 09534d5dfc (このIDを非表示/違反報告)
いちご(プロフ) - ぜひ続編がみたいです。もう一度みんなに再開して欲しい。なんなら私がみんなに会いたい!!!!! (2022年3月17日 23時) (レス) @page50 id: 0357050ae1 (このIDを非表示/違反報告)
uu yy(プロフ) - 一度この話を読んでから、お気に入りにしなかったことを後悔してずっと探してました泣やって見つけて読むことができて嬉しいです。。。続編あったら嬉しいです;; (2022年2月10日 22時) (レス) @page50 id: f74579c402 (このIDを非表示/違反報告)
noa - はじめて読ませていただきましたが、どっぷりハマってしまいました!!!ご負担にならなければぜびぜひ続編が読みたいです!!主人公ちゃんが誰とであっても結ばれるまでを見届けさせていただきたいです! (2022年1月21日 18時) (レス) @page50 id: dd225462d4 (このIDを非表示/違反報告)
vkc(プロフ) - 長らくエイターで最近btsにハマったので、このお話めちゃくちゃ感動しました。本気でbtsにパッチの世界観をミロさんのお話で再現してほしいです。素敵ならお話ありがとうございました! (2021年9月5日 2時) (レス) id: 4cd40e2bb7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ミロ | 作成日時:2020年1月6日 23時