弱さ ページ10
『…、
どうしたの、テヒョン？』
TH「…。」
店の奥で動かずに立ち尽くしていると、ふわりと後ろから抱きしめられ、懐かしい香りを感じる。
TH「Aが泣きそうに見えたから。」
『なんで？泣かないよ？』
TH「見くびらないでー。俺が間違えるわけないでしょ？」
『自信満々だね。』
TH「そりゃあね。
ジョングクのこと考えてた？」
『…、』
背中から伝わる温もりと、テヒョンの優しい声に、ギリギリのところで耐えていた気持ちが溢れ出てきそうになる。
TH「俺たちって、友達だよね？」
『そうだよ。』
TH「なら、辛い時くらい頼ってくれてもいいんじゃない？」
『別に、辛くなんか…』
ない。と言いかけてやめる。
なんだか。
私達ってそれぞれがとても意地っ張りで。
辛い時に辛いって言えない子どもみたいなところがあるから。
もう、そういうのはやめようかな。
正直に言ってみようかな。
…テヒョンになら。
『テヒョン、私ね。
今すごくジョングクに会いたいの。』
TH「…うん。」
『今、こうしてる間にも。
ジョングクはまた私のことを忘れちゃうかもしれない。』
忘れてしまったって、私が覚えてるからいいと。
そう言ったのは私なのに。
『最近、離れてると不安になる。
少しだってジョングクの側から離れたくない。
私、本当は…』
これ以上は言っちゃダメだ。
頭では分かっているのに、
…止まらなくて。
『本当は、ジョングクに忘れられたくない…っ』
彼に惹かれるほどに、
忘れられることが辛くなっていった。
私の嘘つき。
何が大丈夫だよ。
ジョングクの前だけいい顔して。
ああ。
でもジョングクは、とっくに気づいてたのかもしれない。
だからこの前、私に謝ったの？
『ほんと、さいてーだ私。』
テヒョンの方が、私のことをよく分かってたみたい。
ここに来た時、あんなに拒んだテヒョンを無視してあの家に住むことを決めたのに、この様だもん。
『ごめん。それでも…』
TH「やめて。」
『え？』
TH「自分のことそんな風に言わないで。
辛いのも苦しいのも当たり前じゃん。
Aは何も間違ってないよ。」
『…っ、』
TH「好きな人に忘れられるなんて、そんなの辛いに決まってる。」
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kairu(プロフ) - こんなに心を揺さぶられる作品は初めてで本当に読み終わった事が悲しいやら、嬉しいやらです。本当にひとつの素晴らしい映画を見終わった様な気持ちです。ジミンペンなんですけど、グクペンになりそうです。まだ涙が止まらないです。素晴らしい作品ありがとうございます (2021年4月27日 19時) (
レス) id: df72f9e897 (このIDを非表示/違反報告)
リユン - すごい感動しました！読んでいくうちに自然に涙が溢れてきて、読んでよかった！！という気持ちになりました､！ (2021年2月14日 23時) (レス) id: 00bef8cb3c (このIDを非表示/違反報告)
あいり(プロフ) - そんな…泣かさないでぇ。涙枯れる (2020年11月28日 14時) (レス) id: e9d90d82df (このIDを非表示/違反報告)
kurikurina(プロフ) - すごい感動しました！！私が好きな小説と似ている設定だったので余計にグッとくるものがあって…最高でした！！ (2020年9月27日 1時) (レス) id: 5527e740c4 (このIDを非表示/違反報告)
ミロ(プロフ) - オトさん» わぁあ！それは嬉しすぎるご連絡です。すごく嬉しい・・・ありがとうございます！！(o^∀^o)どちらも思い出深い作品なので、そのように言っていただきとても嬉しいです。ありごとうございます。これからもよろしくお願いします。 (2020年9月1日 23時) (レス) id: b1cdd73458 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ミロ
| 作成日時：2019年9月29日 23時
