ジョングクの気持ち ページ5
JK「変な話だけどさ。
自分が書いた日記を見て、いつも嫉妬してる。」
『え?』
JK「おかしいでしょ?
俺、自分で自分に妬いてるんだよ。」
困ったように、眉毛を下げて笑うジョングクを見て、心臓がどくんと音を立てる。
JK「A。
俺が、こんなこと言う資格なんてないってわかってる。
だけど、もう無理だ。
ちょっと我慢できそうにないよ。」
『ジョングク…』
JK「好きだよ。」
『…っ』
JK「俺、Aのことが大好き。
記憶をなくすたびに、俺は何度もAに恋をするんだ。」
まるで。
息の仕方を忘れてしまったよう。
まっすぐに私を見つめる彼の目に、胸が苦しくなって、
だめだ、このままじゃ溺れてしまいそう。
JK「日記に書かれてるAとの思い出を見るたび、その中のAに恋をして、
それから、目の前のAを知って、もっと好きになる。
毎日毎日どんどん好きになるんだよ。
おかしいでしょ?
記憶障害なんて嘘みたい。」
『…、私…』
ああ。
何から伝えればいいんだろう。
返したい言葉はたくさんあるはずなのに。
言い淀んでいる私に気がついたジョングクは、ベッドから起き上がって私の腕を引くと、そのまま優しく抱きしめてくれる。
JK「ごめん、困らせるってわかってたのに。
だけど、今日だけだから。
…忘れていいから。」
彼の優しい声に、耐えていた涙がじわじわと溢れてくるのを感じる。
JK「もう、恋なんてできないと思ってた。
ありがとね。
こんなにも幸せな気持ちをくれて。
ほんと、すごいよAは。」
そう言って、ケラケラと笑うジョングクを見て、
『ジョング、
ん、』
彼に応えようと開いた口を、
塞ぐようにしてキスを落とされる。
『ちょ、待って、私、んん、
もう、聞いてよっ』
JK「黙って。」
口を開くたびに口付けられ、しゃべることを許してもらえない。
『ねぇ!
私も…っ!』
JK「言わないで。」
彼の大きな手が頰に添えられ、その親指で私の唇にそっと触れる。
JK「その答えだけは、
どっちだったとしても忘れたくないんだ。」
『…、
ずるいよ。』
JK「だね。
ごめん。」
ほんとにずるいよ。
そんな風に言われたら、
もう何も言えなくなるじゃないか。
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kairu(プロフ) - こんなに心を揺さぶられる作品は初めてで本当に読み終わった事が悲しいやら、嬉しいやらです。本当にひとつの素晴らしい映画を見終わった様な気持ちです。ジミンペンなんですけど、グクペンになりそうです。まだ涙が止まらないです。素晴らしい作品ありがとうございます (2021年4月27日 19時) (レス) id: df72f9e897 (このIDを非表示/違反報告)
リユン - すごい感動しました!読んでいくうちに自然に涙が溢れてきて、読んでよかった!!という気持ちになりました、! (2021年2月14日 23時) (レス) id: 00bef8cb3c (このIDを非表示/違反報告)
あいり(プロフ) - そんな…泣かさないでぇ。涙枯れる (2020年11月28日 14時) (レス) id: e9d90d82df (このIDを非表示/違反報告)
kurikurina(プロフ) - すごい感動しました!!私が好きな小説と似ている設定だったので余計にグッとくるものがあって…最高でした!! (2020年9月27日 1時) (レス) id: 5527e740c4 (このIDを非表示/違反報告)
ミロ(プロフ) - オトさん» わぁあ!それは嬉しすぎるご連絡です。すごく嬉しい・・・ありがとうございます!!(o^∀^o)どちらも思い出深い作品なので、そのように言っていただきとても嬉しいです。ありごとうございます。これからもよろしくお願いします。 (2020年9月1日 23時) (レス) id: b1cdd73458 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ミロ | 作成日時:2019年9月29日 23時