繋いだ手のぬくもり ページ21
JK「ねぇ、手つないでもいい？」
真剣な顔をしてそんなことを聞く彼に少し笑ってしまう。
許可なんてとらずにキスしてくるような人が、今日は手を握っていいかなんてわざわざ尋ねる。
それを寂しくも感じるけれど、
愛しくもあるんだ。
返事をする代わりに、きゅっとジョングクの手を握ると、すぐに込められた彼の手の力に胸が締め付けられる。
JK「あー、
なんか、すごい幸せ。」
『それは良かった。』
JK「あのさ。
さっき行きたいところはないかって、聞いたでしょ？」
『うん。』
JK「俺、Aが植えたっていう桜、見に行きたいな。」
『え？』
あまりに予想外な言葉に、驚いて目を見開く。
JK「Aが一番好きな花なんでしょ？」
『そう…だけど。
それも日記に書いてあった？』
JK「うん。大事なことでしょ？」
あの時、花屋でぽろっとこぼしただけの言葉を、ちゃんと残してくれていることが嬉しくてたまらなくなる。
『行こう。
桜の苗木が育つのにかかる時間は5年だから。
来年の春にはきっと綺麗に咲くはずだよ。』
JK「うん。楽しみにしてる。」
『絶対行こう！』
なによりも。
ジョングクが未来の話をしてくれたことが嬉しかった。
この頃の彼からは、なんだか今にも消えてしまいそうな儚さを感じていたから。
私は、なんとかジョングクを繋ぎとめようと必死で。
辛くても、苦しくても、何度忘れられたっていいから、とにかく彼のそばにいたくて。
この感情を言葉にしようと思えば簡単なんだ。
JK「そろそろ寝よっか。」
『そうだね。
明日にはちゃんと病院戻るからね？』
JK「はーい。」
少しだけ拗ねたような顔をするジョングクの頭をふわふわと撫でると、彼は嬉しそうに目を細める。
その瞳に映っている私は、自惚れじゃなければ、
きっとあなたと同じような目で、あなたのことを見ているんだろう。
泣きそうなほどに幸せなのは、
私があなたのことを愛しているから。
明日、目を覚ましたら、
思い切って伝えてみようか？
そしたらあなたはどんな顔をするだろう。
笑ってくれるかな？
それとも困らせるかな？
わからないけれど、
ジョングクにとっての私が、あなたを心から好きな私になれるように。
あなたに私の心を知ってもらいたい。
そんなことを思いながら、
彼の隣でゆっくりと意識を手放していった。
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kairu(プロフ) - こんなに心を揺さぶられる作品は初めてで本当に読み終わった事が悲しいやら、嬉しいやらです。本当にひとつの素晴らしい映画を見終わった様な気持ちです。ジミンペンなんですけど、グクペンになりそうです。まだ涙が止まらないです。素晴らしい作品ありがとうございます (2021年4月27日 19時) (
レス) id: df72f9e897 (このIDを非表示/違反報告)
リユン - すごい感動しました！読んでいくうちに自然に涙が溢れてきて、読んでよかった！！という気持ちになりました､！ (2021年2月14日 23時) (レス) id: 00bef8cb3c (このIDを非表示/違反報告)
あいり(プロフ) - そんな…泣かさないでぇ。涙枯れる (2020年11月28日 14時) (レス) id: e9d90d82df (このIDを非表示/違反報告)
kurikurina(プロフ) - すごい感動しました！！私が好きな小説と似ている設定だったので余計にグッとくるものがあって…最高でした！！ (2020年9月27日 1時) (レス) id: 5527e740c4 (このIDを非表示/違反報告)
ミロ(プロフ) - オトさん» わぁあ！それは嬉しすぎるご連絡です。すごく嬉しい・・・ありがとうございます！！(o^∀^o)どちらも思い出深い作品なので、そのように言っていただきとても嬉しいです。ありごとうございます。これからもよろしくお願いします。 (2020年9月1日 23時) (レス) id: b1cdd73458 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ミロ
| 作成日時：2019年9月29日 23時
