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ありがとう ページ29

だけど、この気持ちは口に出せばきっとあなたを困らせてしまう。

だから代わりにこの花束に気持ちを託した。









ふと、私をじっと見つめているジョングクの視線に気がつく。


その瞳の中には当たり前だけど私がいて。

だけど、あなたの中からはもう私との記憶は消えてしまっている。











そう、全て消えてしまっているはずなのに。












『…っ』






耐えきれず、思わずジョングクからそらした視線の隅に、私へと伸ばされかけた彼の手がうつった。





そのことに驚いて、もう一度顔を上げると、
ぐっと自分の手のひらを握ったジョングクと再び目が合う。









どうしてだか、



その瞳が一緒に眠った日の夜のあなたと同じに見えて。



そんなことありえないのに、

今にもあの私の大好きな笑顔で、名前を呼んでくれそうな気さえして。









今度はそらすことができずに、ただじっと彼と見つめ合う。








まるで、時が止まってしまったかのよう。



あなたと過ごす幸せな時間の中で、何度もそうなることを願ったように。












JK「…あ、」

『!』




面会時間終了を知らせるアナウンスが聞こえ、止まっていたかのように感じた時間が再び進み始める。




『…帰らなきゃ。』

JK「…はい。」

『また、来ます。』




名残惜しさを感じながら、病室の扉へと向かう。

















JK「A、さん、」

『っ』





振り返ると、泣いてしまいそうな気がして後ろ手に扉を閉めようとしたところで声をかけられ、
心を落ち着けて、ゆっくりと振り返る。























JK「…ありがとう。」






そう言って、笑ったジョングクの顔は、


少しぎこちなかったけれど、私の大好きな彼の笑顔そのものだった。





































































そしてそれが、

私達の最後の思い出になった。

残された香り→←宝物のような想い



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設定タグ:BTS , 防弾少年団 , テヒョン、ジョングク   
作品ジャンル:恋愛
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kairu(プロフ) - こんなに心を揺さぶられる作品は初めてで本当に読み終わった事が悲しいやら、嬉しいやらです。本当にひとつの素晴らしい映画を見終わった様な気持ちです。ジミンペンなんですけど、グクペンになりそうです。まだ涙が止まらないです。素晴らしい作品ありがとうございます (2021年4月27日 19時) (レス) id: df72f9e897 (このIDを非表示/違反報告)
リユン - すごい感動しました!読んでいくうちに自然に涙が溢れてきて、読んでよかった!!という気持ちになりました、! (2021年2月14日 23時) (レス) id: 00bef8cb3c (このIDを非表示/違反報告)
あいり(プロフ) - そんな…泣かさないでぇ。涙枯れる (2020年11月28日 14時) (レス) id: e9d90d82df (このIDを非表示/違反報告)
kurikurina(プロフ) - すごい感動しました!!私が好きな小説と似ている設定だったので余計にグッとくるものがあって…最高でした!! (2020年9月27日 1時) (レス) id: 5527e740c4 (このIDを非表示/違反報告)
ミロ(プロフ) - オトさん» わぁあ!それは嬉しすぎるご連絡です。すごく嬉しい・・・ありがとうございます!!(o^∀^o)どちらも思い出深い作品なので、そのように言っていただきとても嬉しいです。ありごとうございます。これからもよろしくお願いします。 (2020年9月1日 23時) (レス) id: b1cdd73458 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ミロ | 作成日時:2019年9月29日 23時

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