モン吉は優しい ページ42
JN「はい、テヒョン君。」
TH「…え、」
JN「これが欲しかったんでしょ？」
テヒョン君の前にしゃがみこんで、はい。と風船を渡す先輩。
あらら。
今の先輩は、以前の肝っ玉母ちゃんの人格が完全に消えてしまっていて、子ども達に対してとにかく甘い。
こりゃテヒョン君は大喜びだろうなーなんて思いながら見てた私だけど、
TH「いらない。」
JN「え？」
『え。』
先輩のことをじっと見つめ、ふりふりと首を振ったテヒョン君に驚く。
JN「…どうして？」
TH「だって。
ジンヒョンがいったんだよ。
ふーせんは、かえるときって。」
JN「…」
TH「だからテテ、かえるときまでがまんするもん。」
『テヒョン君…。』
TH「でもね、
きょうはふーせんなんかいらないから、
テテ、ずっとかえりたくない…っ」
JN「テヒョン君、っ、」
『あ！
テヒョン君！！
先輩、子ども達をお願いします！』
テヒョン君に触れようとした先輩の手を避け、突然走り出した彼のあとを慌てて追いかける。
しまった。
完全に油断してた。
思えば、先輩が記憶をなくしてしまってから、1番今まで通りに接していたのがテヒョン君で。
ある意味1番心配してたから、順応してるテヒョン君の姿を見て、安心しきってしまっていた。
だけど、
平気なわけないじゃないか。
悲しくないわけなんかない。
『…テヒョン君。
昨日、夜更かししたでしょ。』
TH「…。」
日本猿のモン吉のゲージの前で、モン吉に慰められるようにしてしゃがみこんでいたテヒョン君の横に座ると、私をチラリと見上げ、それからすぐに顔を伏せてしまった。
TH「テテたち、ヒョンとおわかれするんでしょ？」
『…。』
やっぱり。
昨日の夜、今後のことについてシヒョクさんと電話で話した。
それをこの子は聞いてしまったんだろう。
TH「テテ、ヒョンにいっぱいおしえてあげたんだよ。」
『うん。』
TH「ヒョンがテテたちのことだいすきなこともおしえたんだよ。」
『…うん。』
TH「でも、テテたちがヒョンのことだいすきなの、ちゃんとおしえられなかったみたい。」
そう言って、ポロポロと泣くテヒョン君を、力一杯抱きしめた。
たぶんね、ちゃんと伝わってるよ。
きっとね、伝わってるからこそ、
先輩は離れることを決めたんだと思うから。
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Liz(プロフ) - 突然失礼します！！ミロさんのマシンヌンキム家が本当に大好きです。もう何度読み直したか分かりません。読む度に大好きが増していきます。いつか、また新たなマシンヌンキム家が読めたらとっっても嬉しいです。改めて、読んで幸せになれる作品をありがとうございます！ (2023年3月30日 17時) (
レス) @page50 id: d1d28ca630 (このIDを非表示/違反報告)
サラ - ミロさん、はじめまして。初めてコメントさせて頂きます！私はミロさんの『マシンヌン』が大好きで、公開されてからずっとずっと読み続け、何回いや何百回と読んでます！その度に癒され涙し感動し笑い癒されてます。また帰ってきたマシンヌンあったら嬉しいです！ (2022年10月30日 14時) (レス) @page50 id: bdc30337aa (このIDを非表示/違反報告)
たきゆ(プロフ) - ミロさーん 何回読んでも涙がでてしまうではないですか!良かった 良かった！これからもずっとファンです〜 (2022年10月28日 3時) (レス) @page50 id: 088e3725a7 (このIDを非表示/違反報告)
名無し83058号(プロフ) - まだ、続きが見たいです🥺お気に入りなので、終わってほしくないです… (2022年10月26日 3時) (レス) @page50 id: 2732bc1be1 (このIDを非表示/違反報告)
クサズのエクボにハマりたい(プロフ) - ずっと読み返したかったので嬉しいです (2022年10月19日 8時) (レス) @page50 id: d78d833968 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ミロ
| 作成日時：2020年2月23日 21時
