本当の気持ちです ページ47
『さすがにいないか…。』
美術室の扉を開け、息を切らしたまま部屋の中に入る。
『!ひゃ、』
トン、と背中に軽い振動が伝わり、
次の瞬間、壁に体を押し付けられていることに気がついた。
『は、早かったですね…』
JK「1分以内って言われたんで…」
至近距離で私を見つめる彼の顔は、
怒ってるようにも見えて、少しだけひるみそうになる。
JK「何考えてるんですか?
こんなことして、また謹慎にでもなったら…。
っ、俺が、どんな思いで先生から離れたかわかってるんですか?」
『わかりません。』
JK「…。」
『私は君じゃないから、
君の気持ちなんてわかりません。
君は、私じゃないから、私の気持ちだってわからないでしょう?
だから、伝えに来たんです。』
JK「…え?」
『心配しないでください。
校長にはちゃんと話をしてから来ているので。
あのねぇ、私思うんです。
こんな風にして、あなたの気持ちを握りつぶして、自分の身を守って、教師という立場に縋り付いて何になるんだって。』
本当は、そうするべきなんだろうけど、
私はきっと、いい先生ではないから。
『だから、校長には君と話す時間をもらえるよう頼みました。
今から話すことは全部私の本当の気持ちです。』
私がそう言うと、不安そうに瞳を揺らす彼を見て、たまらずに私より大きな彼の手を遠慮がちに握ってみる。
そうすると、驚いたような彼の顔は、みるみるうちに赤く染まっていく。
JK「あの、
A先生…?」
全く。
君は、こんなことよりもっとすごいことを私にしたじゃないか。
彼が私につけた首筋の跡は、日が経つと綺麗に消えてしまったけれど、
消えてしまわないものもあった。
『私は、君のことが好きです。』
JK「え?」
JK「…う、そだ。」
『本当です。』
JK「ありえません。」
あれ?
めちゃくちゃに勇気を振り絞って伝えたというのに。
首を振って全く信じてくれないジョングク君に、どうしたものかと汗をとばす。
JK「信じられません…っ、そんなの、絶対嘘です。」
『…どうしたら信じてくれるんですか?』
JK「…もう一回、言ってください。」
『私は、ジョングク君のことが好きです。』
1751人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「BTS」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
JinJin?(プロフ) - ジンくんの片思いが終わっちゃうのかな。諦めちゃうのかな。先生の幸せを願うジンくんだから、このままやっぱり伝えない選択をしそうだけど、告白はして欲しいな〜 (2022年5月2日 12時) (レス) @page37 id: 906ff65d51 (このIDを非表示/違反報告)
ミロ(プロフ) - Agust dさん» 私もこのお話のテヒョン君、気に入ってるので嬉しいです(*^^*)3人の男子高校生感が書いてて楽しくて笑私の癖なんですが、必要以上にサブメンバーを愛してしまうんですよね。メインが薄くなるので考えものですが、そう言ってもらえて安心しました(*^ω^*) (2019年10月22日 23時) (レス) id: 5bc7eaedbd (このIDを非表示/違反報告)
Agust d(プロフ) - テヒョンさんが最高のポジションでいい意味で四次元でした。 この作品もジミンさんの恋心は感涙にむせぶ思いでした。 ジンさんの男らしさも強くて脆い感じが大好きです。 ミロさんの作品はサブメンバーがとても素晴らしいと思います!が (2019年10月22日 12時) (レス) id: fea73733b9 (このIDを非表示/違反報告)
ミロ(プロフ) - AULA−輝きさん» 傷ついた思い出が、今の素敵なAULA様を作ったんですね。私なんぞが偉そうに言えることなんて何もないですが、大事な恋のお話が聞けて、胸がいっぱいになりました。ありがとうございます。これからもお互いお話し作り頑張りましょうね(*^^*) (2019年10月21日 20時) (レス) id: 5bc7eaedbd (このIDを非表示/違反報告)
ミロ(プロフ) - AULA−輝きさん» AULA様 コメントいただかありがとうございます(*^^*)自分の気持ちに真っ直ぐなAULA様も素敵ですが、相手の方も、AULA様の気持ちを受け止めたからこそきっとたくさん悩まれたんでしょうね。お2人共とても素敵な方ですね。(*´-`) (2019年10月21日 20時) (レス) id: 5bc7eaedbd (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:ミロ | 作成日時:2019年6月19日 21時