心から【JN】 ページ38
NJ「ジナ?どうした?」
美術館を後にして、なんとなくまっすぐ家に帰るのが嫌で学校に戻ってみると、もう日も暮れかかっているというのに、ナムジュンがまだ教室に残っていた。
「お前こそこんな時間まで何してたんだよ。」
NJ「え、今何時?
…うそ!!もうこんな時間!?ったぁー!!」
驚いて勢いよく立ち上がったナムジュンは、勢い余って机の脚に膝を思い切りぶつけ、その場で悶絶する。
「何やってんだよ。」
NJ「…なんかあった?」
「ん?」
NJ「元気ないように見えるけど。」
「…」
おかしいな。
感情を隠すことは、得意だと思ってたんだけど。
A先生が学校に来なくなってすぐに、ジョングクが俺の元にやってきた。
用件は、コンクールのことと、もう一つ。
一通りコンクールのことを説明すると、急に俯いて話さなくなった彼に、どうしたのかと問いかけると、
ごめんなさい。
と、ポツリと聞こえた声に首を傾げた。
【先輩の好きな人を傷つけてしまいました。】
そう言ったジョングクは今にも泣きそうで、見てるこっちの胸が痛くなるほどだった。
何があったのか詳しく聞きたかったけれど、それ以上詳しく聞くことは出来なくて。
あんまり辛そうな顔をするから、
もしかしたら、彼も俺と同じように、先生を諦めてしまうのかなってそう思った。
だけど、ジョングクの絵を見て、全然俺と同じじゃないって、やっぱり敵わないっていっそ清々しい気持ちになったんだ。
それから、強がりじゃなく、心からあいつを応援したいって思うことができた。
だから、
「元気だよ。全然へーき。」
NJ「そう?なら良いけど。」
ニッと口角を上げた親友に、俺も笑って返す。
教室の窓から見えた花壇には、
いつか先生と一緒に見たリナリアの花はもう、咲いていなかった。
花言葉を覚えてないなんて、
もちろん嘘だ。
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JinJin?(プロフ) - ジンくんの片思いが終わっちゃうのかな。諦めちゃうのかな。先生の幸せを願うジンくんだから、このままやっぱり伝えない選択をしそうだけど、告白はして欲しいな〜 (2022年5月2日 12時) (レス) @page37 id: 906ff65d51 (このIDを非表示/違反報告)
ミロ(プロフ) - Agust dさん» 私もこのお話のテヒョン君、気に入ってるので嬉しいです(*^^*)3人の男子高校生感が書いてて楽しくて笑私の癖なんですが、必要以上にサブメンバーを愛してしまうんですよね。メインが薄くなるので考えものですが、そう言ってもらえて安心しました(*^ω^*) (2019年10月22日 23時) (レス) id: 5bc7eaedbd (このIDを非表示/違反報告)
Agust d(プロフ) - テヒョンさんが最高のポジションでいい意味で四次元でした。 この作品もジミンさんの恋心は感涙にむせぶ思いでした。 ジンさんの男らしさも強くて脆い感じが大好きです。 ミロさんの作品はサブメンバーがとても素晴らしいと思います!が (2019年10月22日 12時) (レス) id: fea73733b9 (このIDを非表示/違反報告)
ミロ(プロフ) - AULA−輝きさん» 傷ついた思い出が、今の素敵なAULA様を作ったんですね。私なんぞが偉そうに言えることなんて何もないですが、大事な恋のお話が聞けて、胸がいっぱいになりました。ありがとうございます。これからもお互いお話し作り頑張りましょうね(*^^*) (2019年10月21日 20時) (レス) id: 5bc7eaedbd (このIDを非表示/違反報告)
ミロ(プロフ) - AULA−輝きさん» AULA様 コメントいただかありがとうございます(*^^*)自分の気持ちに真っ直ぐなAULA様も素敵ですが、相手の方も、AULA様の気持ちを受け止めたからこそきっとたくさん悩まれたんでしょうね。お2人共とても素敵な方ですね。(*´-`) (2019年10月21日 20時) (レス) id: 5bc7eaedbd (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ミロ | 作成日時:2019年6月19日 21時