そんな顔したってさ ページ16
『あー、ビール飲みてぇな。おい。』
リズミカルな音楽が流れ、あちこちから聞こえる楽しそうな子ども達の声で賑わい、そこら中の建造物にネズミのキャラクターがあしらわれたこの場所は、日本で最も有名なテーマパーク(当社比)
自由に散らばった生徒達が不自由ないよう、何が悲しくてか、私は1人テーマパーク内を巡回中だ。
目の保養になるメンズ達を探して目を凝らしていると、ふと見覚えのある少年が目に入る。
『パク君、こんなところに一人でどうしたんですか?』
JM「先生…」
一人きりでベンチに腰掛けていた彼は、私の声にうつむかせていた顔を上げ、驚いたようにぱちぱちと瞬きをする。
かっわいいな、ちくちょう。
『いつも一緒の二人はどうしたんです?』
JM「…あそこです。」
そう言って彼が指差したのは、今まさに人を乗せた箱が勢いよく滑り落ちているジェットコースター。
JM「俺、あーいうの怖くて。」
『終わるまで一人で待ってるつもりですか?』
JM「はい。俺のせいで乗れないのは、悪いんで。」
二人とも、楽しみにしてたんです。
そう、ポツリとこぼした彼に、心臓のはじをギュッと握られたような感覚を味わう。
JM「…何、自然な動作で隣に腰掛けてるんですか?」
『そこに椅子があったから。』
JM「別に、俺一人で平気なんで。」
『ふーん。私には寂しそうに見えたけどねー。』
JM「…気のせいです。」
つん、とそっぽを向く彼だけど、そのぷっくりとした頰がうっすらと赤くなっているのが丸見えだ。
『なら、巡回で疲れたので、少しここで休ませてください。』
JM「ここじゃなくてもいいじゃないですか。」
『もう歩けない、歩きたくない。』
JM「ま、いいですけど。」
口ではそう言いながらも、疲れたと言った私の様子を伺う彼の顔は、私を案じてくれているようで。
最初はどうしようかと思ったものだけど、うん、なんだか私、この子のこと好きだ。
『君は、優しい子ですね。』
JM「俺は別に…
テヒョンや、ジョングクの方がずっと優しいです。」
『へぇー。いい友達ですね。』
JM「はい。
だから、ジョングガを傷つけたら許しません。」
『おっかないよ…』
彼は、そう言ってキッと私を睨むんだけど、私からしたらそれもただの上目遣いにしか見えなくて、可愛いと思う感情しか浮かばずに、なんかもう、嫉妬した。
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JinJin?(プロフ) - ジンくんの片思いが終わっちゃうのかな。諦めちゃうのかな。先生の幸せを願うジンくんだから、このままやっぱり伝えない選択をしそうだけど、告白はして欲しいな〜 (2022年5月2日 12時) (レス) @page37 id: 906ff65d51 (このIDを非表示/違反報告)
ミロ(プロフ) - Agust dさん» 私もこのお話のテヒョン君、気に入ってるので嬉しいです(*^^*)3人の男子高校生感が書いてて楽しくて笑私の癖なんですが、必要以上にサブメンバーを愛してしまうんですよね。メインが薄くなるので考えものですが、そう言ってもらえて安心しました(*^ω^*) (2019年10月22日 23時) (レス) id: 5bc7eaedbd (このIDを非表示/違反報告)
Agust d(プロフ) - テヒョンさんが最高のポジションでいい意味で四次元でした。 この作品もジミンさんの恋心は感涙にむせぶ思いでした。 ジンさんの男らしさも強くて脆い感じが大好きです。 ミロさんの作品はサブメンバーがとても素晴らしいと思います!が (2019年10月22日 12時) (レス) id: fea73733b9 (このIDを非表示/違反報告)
ミロ(プロフ) - AULA−輝きさん» 傷ついた思い出が、今の素敵なAULA様を作ったんですね。私なんぞが偉そうに言えることなんて何もないですが、大事な恋のお話が聞けて、胸がいっぱいになりました。ありがとうございます。これからもお互いお話し作り頑張りましょうね(*^^*) (2019年10月21日 20時) (レス) id: 5bc7eaedbd (このIDを非表示/違反報告)
ミロ(プロフ) - AULA−輝きさん» AULA様 コメントいただかありがとうございます(*^^*)自分の気持ちに真っ直ぐなAULA様も素敵ですが、相手の方も、AULA様の気持ちを受け止めたからこそきっとたくさん悩まれたんでしょうね。お2人共とても素敵な方ですね。(*´-`) (2019年10月21日 20時) (レス) id: 5bc7eaedbd (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ミロ | 作成日時:2019年6月19日 21時