君が好きだと叫びたい ２【完】

もう一度だけ【HS】 ページ34

言うつもりなんて、なかったのに。







『…ホソク。

それ、本当なの？』



ゆらゆらと揺れるAの瞳を見て、
ふと、学生時代を思い出す。


あの時も、Aはこんな表情をしていたっけ。




俺も懲りないなぁ。








…だけど、







「本当。

ごめんな、こんな時に。
だけど、今言わなきゃ後悔すると思った。」

『…っ』

「お前の気持ちは、なんとなくわかってる。

だけど、本当にそれでいいの？
きっといつか、やめとけば良かったって思う日が来る。」

『後悔するかもしれない？』

「そう。


俺じゃ、だめ？」






見開かれた彼女の瞳を、そらすことなく見つめる。

一度目の時は、照れ臭くてAの目を見ることが出来なかった。

そんなんじゃ、こいつに冗談だと思われても仕方なかったかな。なんて今なら思う。










もう遅いかな？






でも、

どうか、間に合え。







































『…っ、

ごめん、ホソク。

ホソクの気持ちには答えられない。』


















「…、そっか…」
























やっぱり、遅かった…か。














『確かに、ホソクの言う通り後悔するかもしれない。だけど、無理だって決めつけて、何もしなかったことを後悔するのはもう嫌だから。』




俺の目を真っ直ぐに見るAは、もうあの時の彼女ではない。





『だけど、ありがとう。


こんな私を好きでいてくれて。



こんなこと、今言うことじゃないかもしれないけど、

私、本当にこの学校にホソクがいてくれて良かったって思ってる。』

「それは…

それは俺もだよ。」





だけど、変わったのは俺も同じで。



Aに告白を流された時、俺は腹が立ってしょうがなくて、やけになって好きでもない女の子と付き合った。



だけど、


今は自分でも驚くくらい落ち着いている。








そりゃ、傷ついてないって言えば嘘になるけどさ。










「聞いてくれてありがと。

これでやっと、心からお前の友達になれる気がする。」

『…友達でいてくれるの？』

「当たり前じゃん。

馬鹿なこと聞くなよ。」



そう言った俺に、Aは本当に嬉しそうに笑ってくれた。







やっぱり俺は、

この笑顔が好きだから。





まだ時間はかかるかもしれない。

だけど、これからもこの笑顔が見られる場所にいたい。



愛情から友情に。


少しずつでいいから。

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