1日目 ページ5
「な、なんで…。」
タクシーが付いたのは、どう見ても病院ではない建物で…。
なんなら、ネットで見た私が泊まる予定のホテルのような気がする。ていうか、そうだ。
「ちょ、お兄さん！…わ！」
「…ん、」
もう限界なんだろう。
立ち上がってすぐに、ふらついて私の方へと倒れこむ彼。
あああ！もう！
どうにでもなれ！！
「よいっしょ！」
フンッと彼を背負うと、ホテルのロビーへ向かい、ギョッとした顔をするフロントマン達を見ないふりして、手早くチェックインを済ませ部屋の鍵を受け取る。
「うんしょ、よいしょ、と！」
部屋に入って、ベッドの上に彼をそっと降ろし、荷物を置いた頃には私の体は疲労困憊になっいた。
あのふらつき方と、顔色からして貧血っぽい気もするんだけど…。
布団を被せて、荒い息を繰り返す彼へと目を向ける。
そんな私に気がついたのか、こちらを見つめると、
「ごめん、なさい。」
と、潤んだ瞳で本当に申し訳なさそうな顔をする。
「ううん、大丈夫です。
すこし寝てください。」
心細そうな彼を見て、自然と手が動き彼の頭を撫でる。
ふわふわとしたやや明るめの髪は手触りがよくて気持ちいい。
初対面の男の人を、自分が泊まるホテルに連れ込むなんてどうかしてる。
だけど、どうしても放って置けなくて。
「あ、そうだ。」
「え？」
「名前、なんて言うんですか？」
「…ジミン、です。」
「ジミンさん。可愛い名前ですね！」
「…ふふ。あなた、は？」
「Aです。話しかけてごめんなさい。
…おやすみなさい。」
『…おやすみ、Aさん…。
どうか、僕を嫌いにならないで…。』
本当に、眠かったのか、最後に何か韓国語で言うと、すぐに眠ってしまったジミンさん。
な、なんかおかしなことになった。(今更)
静かな部屋には、ジミンさんの寝息しか聞こえない。
「テレビでも見ようかな。」
なんだか落ち着かなくて、小さな音にしてテレビをつける。
「お、歌番組。」
あんまり私は詳しくないけれど、KPOPって、日本でも今すごい人気なんでしょ？
キラキラしたアイドル達を見ながら、こりゃハマるわな〜なんて彼らの質の高いパフォーマンスを見ながら考える。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 2390人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を含むプレイリスト 
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
きの - 1本ドラマを見たような満足感とファンとしての満足感が素晴らしい作品でした！興奮して寝れなそうです笑 (2021年8月8日 0時) (
レス) id: 5f6e363266 (このIDを非表示/違反報告)
ミロ(プロフ) - わぁ！看護師さんなんですね！それはやっぱり続き書かないと…！(o^^o)感情移入してくださって嬉しいです！(*^^*)私もこの2人はとても好きな2人なので、続きを書く日を楽しみにしています！^_^ (2019年5月29日 0時) (レス) id: e16d743026 (このIDを非表示/違反報告)
お月見(プロフ) - ミロさん» 本当ですか！！凄く嬉しいです(≧∀≦)看護師なので、ヒロインがお医者さんなのもなんだか感情移入してしまって…(笑)続きを楽しみにしてます！！ (2019年5月26日 19時) (レス) id: 453a478b62 (このIDを非表示/違反報告)
ミロ(プロフ) - お月見さん» 読んでいただいてありがとうございます(o^^o)私も2人が再会できるのか気になるところなので、また是非続き書きたいと思ってます！その時は是非よろしくお願いします(*^^*) (2019年5月26日 12時) (レス) id: e16d743026 (このIDを非表示/違反報告)
お月見(プロフ) - すごく素敵なお話でした。続きが読みたいです…！！！ (2019年5月24日 20時) (レス) id: 453a478b62 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ミロ
| 作成日時：2019年4月17日 22時
