優しい嘘 ページ10
JK「これ」
『??』
かけていたメガネを手渡されてレンズを目の前にかざしてみると、ぐらりと視界が乱れた。
『なにこれ!』
JK「ちょっとだけ視界を悪くするメガネ。
今日は人がたくさん集まるから」
『ああ』
心の色を見すぎないように。
予防メガネだったんだ。
JK「ずっとさ、周りの人間達みんなどいつもこいつも汚い感情ばっかで、俺はこんな世界に生きてたのかって絶望してたんだよね」
『急に重いね』
咀嚼しきれないズンとした話題に思わずつっこむと、彼はそんな私を見て少しだけ笑った。
JK「濁って汚れた色を目に映すことが耐えきれなくて、少しずつ人と関わらなくなった。
テヒョンとかジミンとか変わらずいてくれる人だけそばにいてくれたらいいって思ってたんだけど、
傲慢だよね。そのことにやっと気がついた」
『傲慢?』
JK「うん。
人間なんだから、そりゃ人に言えないような感情を持つことだってあるじゃん。
それをみんな隠しながら笑って生きてるのに…
そうやってみんなが必死に隠してる感情を覗き見する俺の方が違反してるだけで」
まるで自分が悪いように言うその言葉には賛同できなかったけれど、でもジョングク君の言うとおりだ。
生きていたら、みんな誰かを憎むことも、恨むことも、嫉妬したり、理不尽な感情を抱いてしまうことはある。
JK「前にAが本音と建前の話してたでしょ?」
『…うん』
JK「建前って、結局はそれも嘘じゃんって、あの時は受け入れられなかったけど。
俺を安心させるために取り繕ってでも大丈夫でいようとしてくれてたなら、
それはどんなに優しい嘘なんだろうって、後になって思った」
『…』
JK「だから、そういう風に皆が抱いてしまう汚い感情も、心の中にとどめているのは目の前の誰かを傷つけないためなんだとしたら、それも思いやりかなって思えたんだよね」
『ジョングク君』
どうしよう。
JK「そうやって、皆が優しい世界を守ろうとしてる。
って思ったら。前よりも自分の目に映る世界を受け入れられるようになった」
なんだかすごく、泣きそうだ。
JK「とか言いながらメガネはかけるんだけど」
そう言ってめちゃくちゃ似合うメガネをかけてちょっと気まずそうに私から顔を背けたジョングク君が、
『ねぇ、抱きしめたくてたまらないんだけど!』
JK「よして」
大切でたまらなくて、私は息が苦しくなったよ。
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ミロ(プロフ) - ももなさん» ももなさん!私も大好きですよ!(o^^o)少しでもあったかい気持ちになってもらえてたら幸せです!(TT) (2020年10月23日 23時) (レス) id: ffc43d4874 (このIDを非表示/違反報告)
ミロ(プロフ) - キム・カズさん» 私も大好きです!!! (2020年10月23日 23時) (レス) id: ffc43d4874 (このIDを非表示/違反報告)
ミロ(プロフ) - キム・カズさん» カズしゃん!この主人公心の声もガバガバなんでちょっと尊敬しています笑読んで下さりありがとうございます(>人<;) (2020年10月23日 23時) (レス) id: ffc43d4874 (このIDを非表示/違反報告)
ももな(プロフ) - 大好きですミロさん!!!!本当にミロさんのお話は全部あったかいです(TT) (2020年10月22日 0時) (レス) id: 01ec482e54 (このIDを非表示/違反報告)
キム・カズ(プロフ) - みろしゃん…もう大好き!!主がクラスの女子に好かれてる感じも好きだし、あんまり怯まない主好きっす!! (2020年10月19日 1時) (レス) id: 2561bedadd (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ミロ | 作成日時:2020年10月18日 18時