痛みに気づくセンサーとか？ ページ46
JK「…俺、ジンヒョンにAが見つかったこと言ってくる」
TH「…うん」
やっぱり少し気分が良くなさそうなジョングク君を、テヒョン君の心配そうな目が追う。
『大丈夫だよ』
TH「え？」
『ジョングク君は大丈夫』
だってさっき見たんだ。
ジョングク君の瞳の色が変わった瞬間。
濁って、色を失っていた目に光が灯った瞬間。
だから…
TH「でも、Aは大丈夫じゃないよね？」
『…っ』
TH「ちがう？」
私も大丈夫。
そう言おうと思った。
頬を包んでいた手が離れ、そのままその指が私の輪郭をなぞり、それはとても優しい手つきなのに、まるで枷をかけられたみたいに体が動かなくなった。
さっきはちょっと怖かったけど、
今はもう優しくて暖かい目をしたテヒョン君にみつめられることで、つーんと引っ張っておいた糸が切れてしまったみたいに体から力が抜けて。
TH「あー。
なんで俺、いつもいちばんに見つけられないのかな」
『…っ』
さっき、知らない男の人に捕まり、追いかけられた恐怖が心を蝕むよりも早く暖かい温もりに包み込まれ、安心感からか瞼からいくつか落っこちた涙がテヒョン君の肩をぽつぽつと叩く。
よしよし。って背中をさすってくれる暖かい手。
うーんって言葉を探してるらしいテヒョン君だけど、その手から十分優しさも暖かさも伝わってくる。
『恥ずかしい…、ごめんよーっこんな顔』
変顔見せるよりもずっとずっと恥ずかしい。
TH「なんで？可愛いのに」
『目が節穴だよ！』
TH「ひどー」
ごしごしと顔を擦る私の手を掴み、赤くなっちゃうよ？って大真面目な顔をするテヒョン君の、足の間にすっぽり治まっていた自分の体勢に気が付き急に恥ずかしくなる。
『テヒョン君は人を甘やかすのがうまいね』
TH「普段甘やかされて生きてるからね」
『ほお』
だけど、テヒョン君の1番すごいところは、
心が痛いと思っている人のことを、すぐに見つけてくれるところだ。
それから暫くしてジョングク君が戻ってきて、
真夜中を通り過ぎた車も人もいない道路を3人で歩いた。
ちょっぴり変な空気。
でも不思議と居心地は悪くない。
肌寒さも感じない夜。
少しだけ夏の匂いがして、
『夏休みたくさん遊ぼうね』
ってぽつりと言ってみたら、
返ってきた2人の返事は思った通り。
嬉しそうなのと、素っ気ないのだった。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 2173人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「BTS」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ミロ(プロフ) - ぺんぎんみなり。さん» ありがとうございます！少しずつ進めていってるので早くこちらにも載せられるように頑張りますね！(o^^o)嬉しいお言葉をありがとうございます！(TT) (2020年9月26日 22時) (
レス) id: ffc43d4874 (このIDを非表示/違反報告)
ぺんぎんみなり。(プロフ) - colorful、たくさんの展開にドキドキしながら読ませてもらってますっ！Twitterをやっていないので、完結して、こちらでも読めるようになるように待ってます！ミロさんのペースでゆっくり頑張ってください。 (2020年9月13日 7時) (レス) id: 0f0b607e0f (このIDを非表示/違反報告)
ミロ(プロフ) - hirotdmさん» 優しくて暖かいお言葉をありがとうございます。2章必ず完結させてここに持ってきますので、少しお待ちいただけると嬉しいです。頑張ります。本当にありがとうございます！！ (2020年9月10日 15時) (レス) id: b1cdd73458 (このIDを非表示/違反報告)
ミロ(プロフ) - りんごさん» 嬉しいお言葉をありがとうございます！！(＞＜)2章も頑張りますので、宜しくお願いします！(o^^o) (2020年9月10日 15時) (レス) id: b1cdd73458 (このIDを非表示/違反報告)
hirotdm(プロフ) - 楽しいお話をありがとうございました。ミロ様の作品は最高に面白くてどんどん引き込まれていきました。更新をこちらでお待ちしてます。楽しみにしているので必ず帰って来てくださいね！暫くのお別れは寂しいですが我慢して大人しく待ってます。 (2020年9月9日 15時) (レス) id: 55697896ea (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ミロ
| 作成日時：2020年8月20日 22時
