本当の馬鹿 ページ44
『えい！』
JK「うわ！」
思い切りその広い背中に後ろから抱きついた瞬間、ぶるりと身震いして男から手を離したジョングク君。…ちょっと傷ついたけど結果オーライ。
ばたばたと走って逃げていった男たちを横目に、ほっとして息を吐く。
JK「…今こそ叫べばよかったかな」
『痴漢か私は！っと、』
なんだか立っていられなくてへたりとしゃがみ込むと、目の前であぐらをかいたジョングク君が大丈夫？と私の顔を見上げる。
JK「ごめん。あいつら昼間俺が揉めた先輩に頼まれてやったみたい」
『…そっか』
なんだ。
あの人達、全然仲直りするつもりなかったんだ。
『ごめんね。あの時ちゃんとジョングク君の言うこと聞いてればよかったね』
JK「いや…。
俺がもっと、無理矢理にでも連れていけばよかった。
…俺はいつも、大事な時の行動を間違える」
そう言って俯いた彼の顔は、その前髪に隠れてよく見えない。
でも、きっと傷ついた顔をしているんだろう。
『でも、今回もまた助けてくれたじゃん』
JK「…」
『大体、そんなこと言ったら私なんて毎日失敗だらけだよ』
今回だって、元はと言えば迂闊だった私の行動が原因だもん。
JK「ほんと、俺のことなんて庇わなくてよかったのに」
『それは失敗だと思ってないよ！』
JK「失敗でしょ」
『違う！
…それに、庇ったわけじゃなく、私が嫌だったの』
JK「何が？」
『ジョングク君が誤解されるのが！』
だって。
だって本当は、ジョングク君はとても優しいひとだもん。
わかりにくいけど、知れば知るほどに、皆があなたのことを好きになると思うんだ。
JK「ほんとに馬鹿なんだね」
『何をっ
…っ』
JK「…こんなに震えてくるくせに」
突然引き寄せられて沈んだジョングク君の胸の中。
震えてなんかないしって掲げた自分の手の震えを見て急いでその手を隠した。
『震えてません』
JK「嘘つくなよ。怖かったんでしょ？」
『怖くなかった』
JK「はいはい。俺には隠しても無駄だから」
さらに強く抱きしめられて、なんかちょっとこのまま泣いてしまおうかなと思った所で気がつく。
JK「…違うから」
『違わないでしょ』
JK「…」
『…ジョングク君も、震えてるじゃん』
慌てて彼の胸から離れてその顔を見上げると、まるで色を失ったかのように見える瞳を見て息を飲む。
JK「自業自得だよ」
『え？』
JK「あいつらの悪意を読みすぎて、ちょっと影響されただけ」
『…』
ああ、本当に私は馬鹿だ。
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ミロ(プロフ) - ぺんぎんみなり。さん» ありがとうございます！少しずつ進めていってるので早くこちらにも載せられるように頑張りますね！(o^^o)嬉しいお言葉をありがとうございます！(TT) (2020年9月26日 22時) (
レス) id: ffc43d4874 (このIDを非表示/違反報告)
ぺんぎんみなり。(プロフ) - colorful、たくさんの展開にドキドキしながら読ませてもらってますっ！Twitterをやっていないので、完結して、こちらでも読めるようになるように待ってます！ミロさんのペースでゆっくり頑張ってください。 (2020年9月13日 7時) (レス) id: 0f0b607e0f (このIDを非表示/違反報告)
ミロ(プロフ) - hirotdmさん» 優しくて暖かいお言葉をありがとうございます。2章必ず完結させてここに持ってきますので、少しお待ちいただけると嬉しいです。頑張ります。本当にありがとうございます！！ (2020年9月10日 15時) (レス) id: b1cdd73458 (このIDを非表示/違反報告)
ミロ(プロフ) - りんごさん» 嬉しいお言葉をありがとうございます！！(＞＜)2章も頑張りますので、宜しくお願いします！(o^^o) (2020年9月10日 15時) (レス) id: b1cdd73458 (このIDを非表示/違反報告)
hirotdm(プロフ) - 楽しいお話をありがとうございました。ミロ様の作品は最高に面白くてどんどん引き込まれていきました。更新をこちらでお待ちしてます。楽しみにしているので必ず帰って来てくださいね！暫くのお別れは寂しいですが我慢して大人しく待ってます。 (2020年9月9日 15時) (レス) id: 55697896ea (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ミロ
| 作成日時：2020年8月20日 22時
