繋がれた手 ページ30
いつの間にか、ベンチに座る私を見上げるようにしてしゃがみこんでいたテヒョン君と目が合い、ド正面から見るそのお顔の綺麗さに、惚けてしまわないようぎゅっと唇をつむった。
『さっきは…おみぐるしい姿を見せてごめんね』
TH「見苦しい？そんな姿見てないけど？」
『…テヒョン君。優しいね』
こてんと首をかしげて微笑む彼に、全身がむず痒くなる。
なんだろう、この感覚。
TH「ジミンも心配してたよ」
『…本当？』
TH「うん。ジミンはいつもAのこと心配してる」
『いつも？
ああ、だからテヒョン君は私のこと知ってたの？』
私は昔から考えなしに突き進むから、その度にジミンやチェウォンに心配かけてきた。
TH「うーん。そうだけど、そうじゃない…？」
『ん？どういうこと？』
TH「その話はまた今度」
そう言って笑ったテヒョン君に、すっと手のひらを差し出されて首をかしげると、そのままベンチの上においていた手を包み込まれて、ひぁっと変な声が出る。
『びっくりした！』
TH「そう？
立って。そろそろ行こう」
言われるがまま立ち上がると、優しく手を引かれて再び明るいパーク内へと連れて行かれる。
そのまま真っすぐ出口の方に向かうテヒョン君に、遊んで行かないの？と尋ねると今日はいいや。と彼は首を振った。
TH「今は何しててもジミンやチェウォンちゃんのことが気になるでしょ？」
『それは…そうかも』
TH「ね？だからまた今度、ジミンと仲直りしてから皆で来よう」
テーマパークから出て、ふわりと吹く春の風の中。
立ち止まって私を振り返ったテヒョン君によしよしと頭を撫でられる。
ああ、なんか。
ジョングク君がこの人をとても大切にする気持ちがわかるよ。
『やっぱりテヒョン君は優しい』
TH「そう？誰にでも優しくするわけじゃないけど」
『そうかな？』
TH「そうだよ。
…ジミンと仲直りできると良いね」
『…うん！』
ロッテワールドから微かに聞こえてくるファンタジックな曲を耳でとらえながら、いい出会いがあったなとこれから始まる生活が楽しみになった。
さっきまでめちゃくちゃ落ち込んでいたのに。
テヒョン君の笑顔を見てると、なんとかなるような、前向きな気持ちになれるから不思議だよ。
TH「制服返さなきゃいけないんだっけ？」
『あ、忘れてた！』
TH「着いてきて」
『うん！』
繋がれたままの手には、
やっぱりまだ、ドキドキしてしまうけれども。
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ミロ(プロフ) - ぺんぎんみなり。さん» ありがとうございます！少しずつ進めていってるので早くこちらにも載せられるように頑張りますね！(o^^o)嬉しいお言葉をありがとうございます！(TT) (2020年9月26日 22時) (
レス) id: ffc43d4874 (このIDを非表示/違反報告)
ぺんぎんみなり。(プロフ) - colorful、たくさんの展開にドキドキしながら読ませてもらってますっ！Twitterをやっていないので、完結して、こちらでも読めるようになるように待ってます！ミロさんのペースでゆっくり頑張ってください。 (2020年9月13日 7時) (レス) id: 0f0b607e0f (このIDを非表示/違反報告)
ミロ(プロフ) - hirotdmさん» 優しくて暖かいお言葉をありがとうございます。2章必ず完結させてここに持ってきますので、少しお待ちいただけると嬉しいです。頑張ります。本当にありがとうございます！！ (2020年9月10日 15時) (レス) id: b1cdd73458 (このIDを非表示/違反報告)
ミロ(プロフ) - りんごさん» 嬉しいお言葉をありがとうございます！！(＞＜)2章も頑張りますので、宜しくお願いします！(o^^o) (2020年9月10日 15時) (レス) id: b1cdd73458 (このIDを非表示/違反報告)
hirotdm(プロフ) - 楽しいお話をありがとうございました。ミロ様の作品は最高に面白くてどんどん引き込まれていきました。更新をこちらでお待ちしてます。楽しみにしているので必ず帰って来てくださいね！暫くのお別れは寂しいですが我慢して大人しく待ってます。 (2020年9月9日 15時) (レス) id: 55697896ea (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ミロ
| 作成日時：2020年8月20日 22時
