狂わせる【TH】 ページ34
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「テヒョン?」
「んー?」
「んー?って。何?ぼーっとして。」
俺の膝の上にまたがる女の子は、少し不機嫌な顔をして、そのくせ許してもないのに俺のネクタイを緩める。
彼女でもないこの子の家に転がり込んで、数日が経った。
寮にはちょっと帰れそうになかったから、住む家を提供してくれることはありがたい。
でも。
「今日はだめ。」
「えー?また?
もしかして不能?」
「こらー。女の子がそんなこと言うな。」
前までの俺だったら、迷う事なく抱いていたと思う。
女の子は好きだし、この子だって別に俺の彼女になりたいとか、そういう気持ちがないってことはわかってるから、楽に付き合える。
拒む理由なんてないのに。
「ま、いいけど。他当たるから。」
「何?置いてくの?」
「置いてくよ。だってテヒョン今、他の女の子のこと考えてるでしょ?」
あーあ、
女の子ってなんでこんな鋭いんだろうね?
でも実際、
あいつが現れてからだ。
なんとなく自分の調子が狂い始めたのは。
・
JM「あれ。来たんだ、テヒョンア。」
俺の姿を見つけ、ニヤニヤと笑うジミンは最近新しいおもちゃを見つけたらしく、やけに機嫌がいい。
JK「お疲れ様です。」
「おつかれ。」
俺を見上げてそっけなく挨拶する後輩のジョングクがそのおもちゃのうちの一つ。
俺も、ジョングクのことは可愛いと思ってる。
でも。
明るい笑い声の方に目を向けると、ソクジン部長と、その隣で楽しそうに笑うAの姿を見つけた。
俺と同じようにあいつを見たらしいジョングクが分かりやすく俯いたのを見て、
胸が、ざわつく。
多分、本当の意味では気付いてないんだろうけど、
ジョングクは本能的に、Aが女だってことに気付いてる気がする。
だから、なんだっていうんだろう。
俺には関係のないことなのに。
それなのに気付いたら、
「そいつ、ちょうだい。」
JK「嫌だって言ったら?」
あの後割とすぐに酔い潰れたAを運ぼうとするジョングクの前に立っていた。
昨日と同じように。
「同室だから、俺の方が都合がいいよね?」
JK「でも…」
HS「まぁまぁ。テヒョンに任せれば?」
JK「…はい。」
こんなこと、もうやめたいのに。
Aはどうしたって俺を狂わせる。
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ミロ(プロフ) - ガムさん» ひぇぇえ!そんなに褒めてもらえて恐縮です(>人<;)でもすごくすごく嬉しい!!ありがとうございます!(*^^*)最後まで更新頑張りますね!(^^) (2020年4月29日 9時) (レス) id: 5d7ae6ba18 (このIDを非表示/違反報告)
ガム(プロフ) - 久しぶりにめちゃくちゃ最高な作品を見つけました。ちゃんとキュンキュンして、笑えて、すごい素敵なラブコメディーです!!これからも更新頑張ってください!応援してます! (2020年4月22日 1時) (レス) id: 10c5a3095c (このIDを非表示/違反報告)
ミロ(プロフ) - Bigloveさん» 年齢層気になるんですよねたまに…(笑)終わり方良かったですかー!?嬉しいです!!第二章はもっと恋愛ネタが書けるようにしますね!それから寮父も出したい…(笑)続きも頑張るので、どうか見守ってやってくださいっ!! (2020年4月4日 0時) (レス) id: 5d7ae6ba18 (このIDを非表示/違反報告)
ミロ(プロフ) - ナツarmyさん» 尊敬だなんて…とんでもございませんが、テテペンさんなんですね?(o^^o)この先も楽しんでいただけるよう頑張るんで、またお付き合いいただけるとうれしいです!いつも暖かいお言葉をありがとうございます!(*^^*) (2020年4月4日 0時) (レス) id: 5d7ae6ba18 (このIDを非表示/違反報告)
ミロ(プロフ) - kinoko5872さん» お返事遅くなり申し訳ありません。私、語彙力がないので、言葉で遊ぶようにしてるのですが、そんな風に言っていただけて本当に嬉しいです!!(//∇//)これからも更新頑張ります!kinoko様もどうかお体ご自愛くださいね(;_;) (2020年4月4日 0時) (レス) id: 5d7ae6ba18 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ミロ | 作成日時:2020年2月27日 22時