ブラザーズ・コンプレックス【完】

似てるとか似てないとか ページ25

す、するいどいなー。
ぽーっとしてそうなのに、実はしっかり周り見てる人なんだな。なんて、ちょっと失礼かな？


　
　
『誰にも言わないでくださいね？』

TH「わかった。」

『内緒です、指切り！』

TH「本格的だね。
そんなにばれたくないの？」

『そりゃ、そーですよ！だって、兄妹なんですよ！？』


　
あいたたた。

自分で自分を傷つけてしまった。


　
TH「まぁ、難しいよねぇ。」

『ひかないんですか？』

TH「なんで？」


　
本当にわからないと言ったふうに目を丸めるテヒョン君に拍子抜けする。

　

『ほんとは、諦めなきゃいけないってわかってるんです。』

TH「うんうん。」

『ホソク君…お兄ちゃんには彼女がいるし、ていうかそもそも妹だし。』



　
テヒョン君があんまり優しく話を聞いてくれるから、ついつい普段誰にも言えないことまで話してしまう。

この人、良い人だなぁ。
　




　
TH「あのさー、」

『はい。』

TH「なら、

俺と付き合わない？」

『…え？』


　


前言撤回。

やっぱりよくわかんない人だ！！



　

『なんでそーなるんですかー！』

TH「だって俺、Aのこと好きだもん。」

『信じられるかー！写真撮りたいだけでしょ？』

TH「それももちろんある。」

『私が可愛いからですか！？』

TH「それは自分で言っちゃうんだ？」

『だって、私の顔オッパに似てるし。』

TH「えーっ！そういう理由？」

『そういう理由です。』

　

逆に言えば、私がオッパに似てる部分ってそこだけ。


　
『ダンスだってできないし、頭も悪いし、行動力もないです。
ほんとは、オッパと比べられるからダンス部も入りたくなかった。』

TH「A…」

『だから、こんな私がテヒョン君に好かれる理由なんてないです！』

TH「こらー！俺の気持ちを勝手に否定するんじゃなーい！」

『テヒョン君のうそつきー！』

TH「あー！怒った！さすがに怒った！」

JM「ねぇ、何騒いでんの。」



　

よくわからない方向にぎゃーぎゃー騒ぎ出した私達の元へ、呆れ顔のジミン先輩が戻ってきた。


　


JM「もう暗いし、今日は帰ろっか。

そーだ、Aちゃん。
来月からの合宿、ホソク先輩に来てもらうことにしたよ。」

　

「「え？」」



　



ジミン先輩の一言に、私達2人の声が重なった。

思わずテヒョン君のTシャツをぎゅっと握ったら、テヒョン君はその手を包むようにしてくれて、ほんの少しだけ安心した。

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