四十二話 ページ42
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まただ。
誰かに呼ばれているような気がする。
A、Aって。
私の名前を呼ぶ声。
バッチーーン!!
『いっってぇぇぇえええ!!!』
頰に鋭い痛みを感じて飛び起きる。
「やっと起きた…。」
安心したような誰かの声。
振り向くと、そこにいたのは…
『…嘘、ジョングク!?』
JK「…」
いつか見た真っ白な世界の中にいたのは、最後に会った時と同じようにうちの学校の制服を着たジョングクだった。
『夢…だよね…?
いや、夢でもいいや…。』
ああ、なんだこの安心感…。
思い切り頰を打たれた事はこの際水に流そう。
JK「お前…、今一体どこにいんの?」
『どこって…三国時代?』
JK「…ふざけてる?」
はぁ?っと顔を歪めるジョングクに苦笑い。
JK「よくわかんないけど…
早く戻ってきなよ。皆心配してる。」
『私も戻りたいんだけど、どうしたらいいかわからなくて。』
JK「そ、れ、を、なんとかするんだよ!」
『んな無茶な!』
ぶんぶんと肩を揺さぶられて目を回す。
JK「…わかった。
それなら、俺がそっちに行く。」
『…はぁ!?
そんなの無理に決まってるじゃん!』
JK「お前が行けたんだから、無理なことないだろ?」
そう言うジョングクの目は真剣そのもので。
安心感からか、少し泣きそうになった。
JK「ねぇ、A…」
ジョングクが何か言いかけた時だった。
声が聞こえた。
私の名前を呼ぶ声。
ジョングクはここにいるのに。
そっか、この声は。
『ごめん、ジョングク!』
JK「え?」
『私、行かないと!』
JK「は?」
戻らないといけない。
JK「ちょっと待ってって、」
『ごめんね、でもきっと戻るから。』
JK「…」
段々と、目の前のジョングクの姿が薄れていく。
JK「絶対、会いにいく。」
彼のその声を最後に、
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TH「A!
っ、良かった…っ、」
私は再び、三国時代で目を覚ました。
TH「もう目を覚さなかったらどうしようって…っ」
『テヒョン…。』
私をずっと呼び続けてくれた人の温もりを感じながら、ジョングクを思って少し泣いた。
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ねこ - この世界にのめり込んで話を読んでしまいました。本当にすごい。この一言に尽きました (2022年6月1日 20時) (レス) id: 7f5ec73fd5 (このIDを非表示/違反報告)
ミロ(プロフ) - あいさん» 読んでくださりありがとうございます(o^^o)そしてそして汐恩君ですが…その通りjo1の鶴房くんです!私もJAMなのでお名前借りてるんです…しかも結構出てくる(笑)気づいてくださってありがとうございます!嬉しかったです(*^^*) (2020年7月26日 0時) (レス) id: a66c275241 (このIDを非表示/違反報告)
あい - めちゃくちゃ面白くてワクワクしながら見させて頂いております!!気になったのですが、、汐恩って、鶴房でしょうか?実は推しに同じ名前の人が居るので少し気になって笑 これからも応援しております! (2020年7月26日 0時) (レス) id: 9ac1bc0a11 (このIDを非表示/違反報告)
ミロ(プロフ) - 塩飴さん» うふふ。そうなんです(*^^*)次の章も楽しんでもらえるよう精一杯頑張ります!また遊びに来ていただけるとうれしいです!(*^▽^*) (2020年5月16日 0時) (レス) id: 5d7ae6ba18 (このIDを非表示/違反報告)
ミロ(プロフ) - ここあさん» ほんとですか?嬉しいです!ありがとうございます!(*^^*)ジョングクさん…少しお待ちくださいね!準備運動してもらっておきます! (2020年5月16日 0時) (レス) id: 5d7ae6ba18 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ミロ | 作成日時:2020年4月29日 23時