二十九話 ページ29
『私みたいなどこの誰ともわからん奴は入れませんよ。』
SI「それを言うなら、俺も素性の知れない人間だよ。」
『そうなんですか？』
SI「俺は元々倭の国の人間だから。」
『
こてんと首を傾げた私に、シオンさんはあーっそっか記憶ないんだったなと不憫そうな顔をする。
SI「東の島国だよ。
人買いに売られてこの国に来た。
んで、貴族に買われていいようにされてるところをソクジン皇子に助けられた。」
『そうなんだ…』
ケロッと話す内容が、あまりに波乱万丈で他にかける言葉がなかった。
『シオンさん、』
SI「シオンでいいよ。敬語もいらない。」
『わかった。
シオンさんは、じゃあ、しんとー派？なの？』
SI「あー、俺は、政治とかはよくわかんねーから、
強いて言うなら皇子派かな。」
そう言って棒切れを一つ拾うと、地面にさらさらと字を書いていく。
SI「これ、俺の名前。」
『おお。』
ちょっと拙い文字で書かれたそれは…シオンって綺麗な名前だと思ってたけど、漢字にすると更に美しいな。
SI「ソクジン皇子にもらったんだ。」
『綺麗な名前だね。』
SI「この名前の通り、俺は貰った恩を返したい。
ナムジュン皇子は俺に読み書きを教えてくれたし、テヒョン皇子は俺を本当の友のように接してくれる。
俺は、あの人達が好きだ。」
もう一度笑った汐恩は、ちょっと眩しいくらいだった。
『いいね。皇子派。私も皇子派になる。』
SI「真似すんじゃねーよ。」
ケラケラと笑い、頭をこつんとやられる。
なんかこの感じ、ちょっとジョングクに似てるな。
SI「で、俺は基本的に皇子達の従者。
花郎としては郎徒達を鍛えるために与してる。」
『なるほどねー。』
SI「まぁ、別の理由もあるんだけど。
とりあえず、今の花郎も郎徒もたるんでる奴が多いからお前みたいなやつに入って欲しいと思うよ。」
『女も入れるの？』
SI「花郎の元は
うへー。
すっごい期待を込めた目で見られてるけど、それは私1人じゃ決められないわ。
『考えとくよ！
また手合わせしてね！』
SI「期待しとくからなー！」
やれやれ。
あのままだと頷いてしまいそうで慌てて逃げた。
そろそろ戻ろうかそう思ったところで、
「A…？」
姿の見えない声が聞こえた。
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違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ねこ - この世界にのめり込んで話を読んでしまいました。本当にすごい。この一言に尽きました (2022年6月1日 20時) (
レス) id: 7f5ec73fd5 (このIDを非表示/違反報告)
ミロ(プロフ) - あいさん» 読んでくださりありがとうございます(o^^o)そしてそして汐恩君ですが…その通りjo1の鶴房くんです！私もJAMなのでお名前借りてるんです…しかも結構出てくる（笑）気づいてくださってありがとうございます！嬉しかったです(*^^*) (2020年7月26日 0時) (レス) id: a66c275241 (このIDを非表示/違反報告)
あい - めちゃくちゃ面白くてワクワクしながら見させて頂いております！！気になったのですが、、汐恩って、鶴房でしょうか？実は推しに同じ名前の人が居るので少し気になって笑 これからも応援しております！ (2020年7月26日 0時) (レス) id: 9ac1bc0a11 (このIDを非表示/違反報告)
ミロ(プロフ) - 塩飴さん» うふふ。そうなんです(*^^*)次の章も楽しんでもらえるよう精一杯頑張ります！また遊びに来ていただけるとうれしいです！(*^▽^*) (2020年5月16日 0時) (レス) id: 5d7ae6ba18 (このIDを非表示/違反報告)
ミロ(プロフ) - ここあさん» ほんとですか？嬉しいです！ありがとうございます！(*^^*)ジョングクさん…少しお待ちくださいね！準備運動してもらっておきます！ (2020年5月16日 0時) (レス) id: 5d7ae6ba18 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ミロ
| 作成日時：2020年4月29日 23時
