二十八話 ページ28
少し低い声でそう言い、
私とヨンジンさんとの間に立ったテヒョン。
を避けてその前に立ってヨンジンさんを睨むと、彼はケラケラと声を上げて笑った。
YJ「私の手には余りそうだな。
戯れはこのくらいにして、そろそろ向かいましょうか。」
TH「ああ。」
YJ「どこへ行く。
お前は来てもどうせ入れない。」
部屋から出て行く2人について行こうとすると、ヨンジンにそれを阻まれる。
『私はテヒョンの専属護衛です。』
YJ「貴族会議は神聖なもの。
お前のような小娘が場を汚すつもりか?」
『んだとぉ…』
TH「A、落ち着いて。」
今にも失礼なおっさんに噛みつきそうな私の頭を撫で、大丈夫だからと笑ったテヒョンになんとか怒りを抑える。
TH「ヨンジン。
Aは俺の大事な女の子だよ。
そのような失礼な物言いは控えるように。」
YJ「それは…
失礼しました。」
深々と頭を下げる姿すらもわざとらしく腹立たしいな。
それでも、やはり私は会議に参加出来ないらしく、廊下を歩いて行く2人を見守りながらただただ歯痒い思いだった。
じっとしていてもなと廊下を歩いていると、
『あ、シオンさん!』
SI「おまえは…。」
驚いたような表情を浮かべた花郎代表殿に、頰がゆるゆると上がっていく。
ちょうどいい。
『ちょっと、手合わせ願いませんか?』
SI「は…?」
何もしないでいるのは、
どうも性に合わない。
・
バシン、バシンと人のいない敷地内に竹刀のぶつかり合う音が響く。
右、右、下、
今度は…
『左っ!』
SI「くっ」
左上段から打ち込まれた竹刀を受け止め、つばぜり合いになる。
メキメキメキ、と刀身しなる気すらして、相変わらずすごい力だなと驚く。
だけど、
その力を利用してすぐさま間合いをとり、引き技をかけると一気に崩れる。
ポン、と軽く胴を打った私に、シオンさんはくっそー。としゃがみ込む。
SI「また負けた…」
『がはは!!』
SI「…お前みたいな奴が花郎になってくれたらいーのに。」
地面に座り込んだ彼の隣に座ると、にこっと微笑まれ、その時やっと気づく。
まてまて、この人もイケメンだ。
二重の大きな瞳に高い鼻。
顔もすっごく小さいし、背も高い。
私の時代にいたら、とんでもなくモテただろうな。
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ねこ - この世界にのめり込んで話を読んでしまいました。本当にすごい。この一言に尽きました (2022年6月1日 20時) (レス) id: 7f5ec73fd5 (このIDを非表示/違反報告)
ミロ(プロフ) - あいさん» 読んでくださりありがとうございます(o^^o)そしてそして汐恩君ですが…その通りjo1の鶴房くんです!私もJAMなのでお名前借りてるんです…しかも結構出てくる(笑)気づいてくださってありがとうございます!嬉しかったです(*^^*) (2020年7月26日 0時) (レス) id: a66c275241 (このIDを非表示/違反報告)
あい - めちゃくちゃ面白くてワクワクしながら見させて頂いております!!気になったのですが、、汐恩って、鶴房でしょうか?実は推しに同じ名前の人が居るので少し気になって笑 これからも応援しております! (2020年7月26日 0時) (レス) id: 9ac1bc0a11 (このIDを非表示/違反報告)
ミロ(プロフ) - 塩飴さん» うふふ。そうなんです(*^^*)次の章も楽しんでもらえるよう精一杯頑張ります!また遊びに来ていただけるとうれしいです!(*^▽^*) (2020年5月16日 0時) (レス) id: 5d7ae6ba18 (このIDを非表示/違反報告)
ミロ(プロフ) - ここあさん» ほんとですか?嬉しいです!ありがとうございます!(*^^*)ジョングクさん…少しお待ちくださいね!準備運動してもらっておきます! (2020年5月16日 0時) (レス) id: 5d7ae6ba18 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ミロ | 作成日時:2020年4月29日 23時