検索窓
今日:37 hit、昨日:111 hit、合計:1,277,025 hit

十四話 ページ14

ひぃい!!と耳をつんざく男の声。



 





『…え、』


 

斬られたのは、襲ってきた男の方だった。



 


TH「命までは取らない。

だから、早く去れ。」

「っ、くそ!」


 

いつの間に抜いたのか、刀を構えたテヒョンを見て、男は斬られて血が流れる腕を押さえながら逃げていった。


 

自分の頰を流れる何かに気が付き、手でそれに触れるとぬるっとしていて。

錆びた鉄のような匂いに、恐怖のあまり喉の奥がきゅっと閉まった。



 

TH「大丈夫?」

『あ、うん…』

TH「良かった。」


 

安心したようににこにこと笑うテヒョンだけど、この人は今、躊躇いなく目の前の男を切ったわけで。

 
月明かりに照らされたその美しい顔は、私と同じように返り血を浴びていた。



 


とても恐ろしいのに、ひどく美しい。




 




『あの、

切ると…痛いと思うんだ?』

TH「え?」

『出来るだけ、やめようね?』

TH「ひひ、

Aは面白いことを言うね。」




 
面白くないよ。

 
だって、怖いじゃん。

悲鳴とか、血とかさ。



 

私の言葉に頷くでもなく、差し伸ばされたテヒョンの手をとり立ち上がる。

それを見て、なぜかテヒョンが少しだけ顔を綻ばせた。

 



思った以上に、恐ろしいことが起きてるんじゃと自分の身を案じながら。

 
まぁでも、

とにもかくにも生きねばならん。

 



…だよね?

 








 









『ていうかさ、』

TH「ん?」


 


さっきのテヒョンの鮮やかな剣さばきを思い出して首をひねる。

洗練された動き。

間違いなく、実戦経験があるだろうそれ。

 




目の覚めるような美少年に手を引かれて歩く夢見心地にまだ自覚が足りん自分を戒めながら思う。



 







TH「今日は月が綺麗だね。」

『…だね。』



 









 





 





あなた、護衛いりますか?と。

 

十五話→←十三話



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 10.0/10 (1211 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
2842人がお気に入り
設定タグ:BTS , 防弾少年団   
作品ジャンル:ファンタジー
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

ねこ - この世界にのめり込んで話を読んでしまいました。本当にすごい。この一言に尽きました (2022年6月1日 20時) (レス) id: 7f5ec73fd5 (このIDを非表示/違反報告)
ミロ(プロフ) - あいさん» 読んでくださりありがとうございます(o^^o)そしてそして汐恩君ですが…その通りjo1の鶴房くんです!私もJAMなのでお名前借りてるんです…しかも結構出てくる(笑)気づいてくださってありがとうございます!嬉しかったです(*^^*) (2020年7月26日 0時) (レス) id: a66c275241 (このIDを非表示/違反報告)
あい - めちゃくちゃ面白くてワクワクしながら見させて頂いております!!気になったのですが、、汐恩って、鶴房でしょうか?実は推しに同じ名前の人が居るので少し気になって笑 これからも応援しております! (2020年7月26日 0時) (レス) id: 9ac1bc0a11 (このIDを非表示/違反報告)
ミロ(プロフ) - 塩飴さん» うふふ。そうなんです(*^^*)次の章も楽しんでもらえるよう精一杯頑張ります!また遊びに来ていただけるとうれしいです!(*^▽^*) (2020年5月16日 0時) (レス) id: 5d7ae6ba18 (このIDを非表示/違反報告)
ミロ(プロフ) - ここあさん» ほんとですか?嬉しいです!ありがとうございます!(*^^*)ジョングクさん…少しお待ちくださいね!準備運動してもらっておきます! (2020年5月16日 0時) (レス) id: 5d7ae6ba18 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:ミロ | 作成日時:2020年4月29日 23時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。