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終わった。
完全に終わった。
ジョングクさんにバレてしまった。
私が彼らの隠れファンだということが…!
しかも、美意識を上げるために持ち歩いていたソクジンさんの写真を見られてしまったせいで、ソクジンさんのファンだと勘違いされてしまった。
どうせバレるなら、ずっと応援してたって、知ってもらいたかったな。
ソクジンさんの写真を見た後、ジョングクさんはなんとも言い難い顔をした後、何も言わずにどこかへと行ってしまった。
ただでさえ嫌われていたのに、
事務所の社員だっていうのにこっそりBTSのファンをしていたこともバレてしまって、きっともう、彼は私の顔も見たくないだろうな。
美味しそうにご飯を食べる彼の姿を見る時間が、私には何よりも大切な時間だったのになぁ。
「あら、A。
なんだか顔色が悪いわよ?」
『え?そうかな?』
「明日の下ごしらえは私が変わるから、今日は早めに帰ってゆっくり休みなさい。」
『…うん。
ありがと。』
確かに朝からぼーっとすることがあって、お言葉に甘えて今日は家に帰ることにした。
部屋のベッドに飛び込んだ途端、一気に体がだるくなり、気を失うように眠りに付いた。
夢の中で、
私は数年前の姿をしていた。
まだBig Hitの社員食堂で正式に働いていない頃、学校の授業が早く終わった日なんかによく食堂の手伝いに出向いていた。
単純に、生の芸能人を見られることは楽しかったし、年の近い練習生の人たちは仲良くしてくれていた。
そんな、同年代の子達の中で、一人だけ異質な男の子が居た。
まだ若いのにも関わらず、既に人気グループのメンバーとしてデビューしていた子。チョン・ジョングク。
思えばあの頃から、私はジョングクさんとだけは話せなくて、
でも一度だけ、本当に一回だけだけど、元気がなかった彼におにぎりを持っていったことがある。
今、考えると恥ずかしくて、よくあんな下手くそなおにぎりを持っていけたなと後悔もするけれど、
でも、あの時、ジョングクさんがとても美味しそうに食べてくれたのが嬉しくて。
その時の気持ちが忘れられなくて、
私は、あの食堂でこれからも彼が笑顔になるようなご飯を作りたいって思ったの。
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ミロ(プロフ) - nanaさん» まじですか??嬉しいなぁ!!ありがとうございます!(*^^*) (2020年2月1日 16時) (レス) id: 5d7ae6ba18 (このIDを非表示/違反報告)
ミロ(プロフ) - にーなさん» とんでもないです!!(//∇//)ありがとうございます!(´∀`*) (2020年2月1日 16時) (レス) id: 5d7ae6ba18 (このIDを非表示/違反報告)
nana(プロフ) - 最高です泣 (2020年1月25日 20時) (レス) id: 1c8c31250d (このIDを非表示/違反報告)
にーな - ほんとうに天才ですね!!! (2020年1月11日 16時) (レス) id: f81ba2038e (このIDを非表示/違反報告)
ミロ(プロフ) - Miyuさん» Miyu様 キミが〜読んでいただけたのですね?すごくすごく嬉しいです(>人<;)彼らの台詞ってなんだか私の中で勝手にイメージがあって(笑)でもそれを好きになっていただけて感激しております!暖かいお言葉でこれからも頑張れます!ありがとうございます! (2020年1月6日 23時) (レス) id: 990117c315 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ミロ | 作成日時:2019年12月29日 21時