episode 42 ページ44
JM「これと、これ。」
『え。うわっ』
JM「で、これを目深に被ればバレないかもね。」
クローゼットを見て少し悩んだ後、ひょいひょいとジミンさんが渡してくれたのは、細身のジーンズに、ざっくりとした大きめの黒いパーカー。それからキャップ。
『ありがとうございます。』
JM「ちょっと大きいかも。
一回着てみて。」
『うわっ！！ちょっと！！！』
JM「何？」
突然私の服を脱がしにかかったジミンさんに慌てて抵抗すると、ものすごく不機嫌な顔をして私から手を離す。
『いや…服くらい自分で脱げます。』
JM「…？
脱がせた方が早いじゃん。」
『…。』
いや。
いやいやいや。
JM「まぁ、いいや。
ならとっとと脱いでよ。」
『脱ぎますから、〜〜っ、せめて向こう向いててください！』
JM「は？めんどくさ。」
文句を言いながらも後ろを向いてくれたジミンさんに、急いで着替えを始める。
ジミンさん、本当に女の人苦手なんだよね？
さっき、なんの戸惑いもなく服をめくった彼に、危うく大声で叫んでしまうところだった。
JM「んー。どう見ても女じゃん。」
『ですよね。』
着替え終わった私を見て、きゅっと眉根を寄せたジミンさんは、そーだといって、再びクローゼットの中をガサゴソと漁る。
JM「これ被って。」
『え。…カツラ？』
彼が取り出したのは、ショートカットのウィッグ。
なんでこんなものがあるんだと思ったけれど、彼らの裏の稼業を思い出してなんとなく理解した。
『おお。男の子に…見えなくもない。』
ウィッグを被り、男物の服で身を包んだ自分は、まるで少年のようだった。
鏡から、ジミンさんに視線を移そうとした時に、ふいにまた、彼の机の上に飾られている女の人の写真が目に入った。
JM「…そんなに気になる？」
『え…、いや…』
そんな私の様子に鋭く気づいたジミンさんは、呆れたように笑うと、その写真立てを手にとって、そのまま私の手に押し付ける。
JM「その人は、俺の母親。」
『…え、』
JM「産んですぐに、俺を捨てた母親。」
『…っ』
JM「なんで産まれたのかも、なんで捨てられたのかも、
…なんのために生きてるのかもわからないやつの気持ち、あんたにわかる？」
『そんな…』
JM「ほら。知らないほうが良かったでしょ？
あんたの好奇心は、いつかあんた自身の身を滅ぼすよ。」
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ゆろ(プロフ) - ミロさんの作品を見てBTSが気になってきたんですが、まさか∞のことも好きだなんて……！パチアパいいですよねー。応援してます！ (4月23日 15時) (
レス) @page2 id: 50914b05a6 (このIDを非表示/違反報告)
えるさん(プロフ) - 最近BTSを知って好きになったエイターなのでパッチのオマージュが読めて本当に嬉しいです！ミロさんの作品どれも大好きです！ありがとうございます！ (2020年9月5日 23時) (レス) id: d80776b0b8 (このIDを非表示/違反報告)
ミロ(プロフ) - ミミネコさん» 主人公とメンバーが少しずつ心通わせてく過程を書くのが一番好きなのです(*^^*)上手くかけてるかは置いておいて（笑）もったいないほどのお言葉をありがとうございます！(*^_^*) (2020年1月30日 23時) (レス) id: 990117c315 (このIDを非表示/違反報告)
ミミネコ(プロフ) - 面白すぎて読む手が止まりません！登場人物同士の距離感や心の動きなど巧みに描かれていてもう作者様の才能に脱帽です！！ステキな作品をありがとうございます！これから二章楽しんで来ます (2020年1月26日 23時) (レス) id: edccac2928 (このIDを非表示/違反報告)
ミロ(プロフ) - ?さん» わぁ！そうなんですね！(*´∀｀*)やはり、一度エイターだったら、ぱっちは避けられませんよね…！（笑）あの世界観に近づけるよう頑張ってお話書いていくので、また読んでいただけるとうれしいです！！ (2020年1月11日 14時) (レス) id: 990117c315 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ミロ
| 作成日時：2019年12月1日 21時
