episode 34 ページ36
唇から伝わるヒヤっとしたグラスの感触。
私を見るジミンさんの冷たい目。
『この状況じゃ、酔いも冷めます。』
JM「つまんないの。」
私から体を離したジミンさんは、グラスに残った液体を一気に喉に流し込んでジンさんへと渡す。
JM「早く戻れば？こんなところ居たら、襲われるよ？」
『え？』
JH「おい、ジミン！出番！」
JM「はーい。」
ホビさんに呼ばれて、お店の前方にあるステージへと向かうジミンさんは、もう私を見ることはなかった。
ジミンさんが見えなくなったのを確認してから、バタンとバーカウンターに突っ伏す。
『怖かった…！』
JN「どうしたの？」
『ジンさん、私なんでこんなにもジミンさんに嫌われているのでしょうか？』
JN「んー。あいつの場合、Aちゃんが嫌いと言うよりは、女の人が苦手っていうか…」
『そういや、前もそんなこと言ってましたね。』
JN「まぁ、ここにいるメンバーはそれぞれ訳ありだからね。
…もうユンギには釘刺されてるみたいだけど、あまり深入りしない方がAちゃんのためだと思う。」
『…。』
まただ。
定期的に引かれる境界線。
こちら側に入ってくるなという彼らの明確な線引きに、私はいつも妙な気持ちになる。
実際、ジンさんの言う通りだと思う。
彼らの事情を知ったとして、私にできることなんて何もない。
最近知り合ったばかりの私は何も知らないふりしてただ彼らに守られていればいいんだから。
わかってる。
でも、
『それでも、気になるもんは気になるんです！！』
JN「あ、ちょっと！」
やけになってその辺にあったグラスを手に取り、中身を一気に飲み干す。
慌てたジンさんの声が聞こえたけれど、それも無視して。
JN「ちょ、大丈夫？」
『平気ですよ、このくらい。』
JN「ほんとに？
あ。始まるね。」
『え？』
にこっと笑って指を差したジンさんに、その指が指す方向に視線を向けると、暗い店内の中、前方のステージだけが明るく照らされていた。
しばらくすると音楽が鳴り始め、ゆっくりとステージ上に現れたジミンさんに、店内が一気に沸き立つ。
とても熱狂的に叫ぶお客さん達に驚いたけれど、彼が音楽に合わせて体を動かした瞬間に、その熱量も頷けるなと、ただただ目の前のステージに目を奪われる。
ダンスというよりは、まるで芸術。
こんなの、初めて見た。
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ゆろ(プロフ) - ミロさんの作品を見てBTSが気になってきたんですが、まさか∞のことも好きだなんて……！パチアパいいですよねー。応援してます！ (4月23日 15時) (
レス) @page2 id: 50914b05a6 (このIDを非表示/違反報告)
えるさん(プロフ) - 最近BTSを知って好きになったエイターなのでパッチのオマージュが読めて本当に嬉しいです！ミロさんの作品どれも大好きです！ありがとうございます！ (2020年9月5日 23時) (レス) id: d80776b0b8 (このIDを非表示/違反報告)
ミロ(プロフ) - ミミネコさん» 主人公とメンバーが少しずつ心通わせてく過程を書くのが一番好きなのです(*^^*)上手くかけてるかは置いておいて（笑）もったいないほどのお言葉をありがとうございます！(*^_^*) (2020年1月30日 23時) (レス) id: 990117c315 (このIDを非表示/違反報告)
ミミネコ(プロフ) - 面白すぎて読む手が止まりません！登場人物同士の距離感や心の動きなど巧みに描かれていてもう作者様の才能に脱帽です！！ステキな作品をありがとうございます！これから二章楽しんで来ます (2020年1月26日 23時) (レス) id: edccac2928 (このIDを非表示/違反報告)
ミロ(プロフ) - ?さん» わぁ！そうなんですね！(*´∀｀*)やはり、一度エイターだったら、ぱっちは避けられませんよね…！（笑）あの世界観に近づけるよう頑張ってお話書いていくので、また読んでいただけるとうれしいです！！ (2020年1月11日 14時) (レス) id: 990117c315 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ミロ
| 作成日時：2019年12月1日 21時
