10 ページ10
「…美味しい!」
『!よかった!!』
彼女の作ってくれたものは、どれもこれも美味しくて、料理に自信があるというのは嘘ではなかったようだ。
コンビニ弁当や、カップラーメン以外のご飯を家で食べるのは久しぶりで、人の手料理はこんなに美味しかったんだなと夢中で食べていると、目の前から視線を感じて首を傾げる。
え、
「?どうしたの?」
『ううん。いい食べっぷりだなーって。』
本当だろうか。
その割には、どこか苦しそうに揺らいだ気がするさっきの彼女の瞳が頭から離れない。
「あのさ。」
『ん?』
「明日も作ってくれる?…ご飯。」
『!!
もちろん!!』
俺の言葉に、嬉しそうに笑ってくれた彼女にホッとする。
きっと、さっきのは見間違いだろう。
うーん。
これはちょっと、どうしよう。
『ジミン君、オチビだと思ってたけどやっぱり男の子なんだね〜。』
お風呂上り、俺のスウェットを着て余った袖をパタパタと遊ばせながらが楽しそうに笑うA。
そんな無防備な姿を見せられると、俺も男だから、やっぱり意識してしまうわけで。
「チビじゃないし。もー遊んでないで早く寝なよ。
俺はもう少し勉強するから。」
『承知しました!殿!』
「誰が殿だよ。」
『だってほら、ズボンズルズルで日本の時代劇に出てくる人みたいなんだもん。』
「あー、そんなにずって歩いたら、」
『ひゃっ』
「…こうなると思った。ばか。」
『ごめんなさい。』
予想通り、転んで床に倒れこんだ彼女を間一髪受け止める。
座る俺に覆いかぶさるようにして倒れこんできた彼女は、驚くほどに軽くて、なんだか少し心配になるほどだった。
「…A?」
急に静かになった彼女に声をかけると、じっと俺を見つめる大きな瞳と目が合う。
『…ジミン君がいる。』
「え?」
ほんの少し、瞳を潤ませるAに、今更距離の近さに気がついて、心臓の音が早くなる。
それから、
ゆっくりと、俺の頬に彼女の冷たい手が触れて、冷やりとした感覚に思わずその手をつかんだ。
『ほっぺたもちもちだね。やっぱり私の知ってるジミンオッパと比べるとまだまだ子どもみたい。』
「…未来の俺は、少しはかっこよくなってるの?」
『!かっこいいよ!すごくかっこいいし、優しいし、色気もある!』
「ふーん?」
1482人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ミロ(プロフ) - もゆさん» わぁ!ジミンペンの方にそう言っていただき今とてもホッとしております( ´ ▽ ` )ちょっとありえな設定でしたが、ジミンちゃんの包み込むような優しさが少しでも表現できてたら幸いです!(*^_^*)素敵なコメントをありがとうございます! (2020年6月2日 21時) (レス) id: 4091476ef1 (このIDを非表示/違反報告)
もゆ - ミロさん!!!!「もしも願いが叶うなら」に続き、大号泣しております、本当に場面描写が繊細でもうそっくりそのまま感情移入できちゃう文章、尊敬します…!私はジミンペンなんですが、こんなにも信じあえる関係に焦がれ、凄く幸せになれました!ありがとうございます! (2020年5月19日 1時) (レス) id: a156f1d191 (このIDを非表示/違反報告)
くるむ(プロフ) - ミロさん» ぶっ飛ばすどころか即読みます!ミロさんのワンピックもわかっちゃうかも知れないですね(..) (2019年11月26日 23時) (レス) id: d2a4ad9a4f (このIDを非表示/違反報告)
ミロ(プロフ) - くるむさん» くるむ様 わかります。皆のグレートマザーになりたいです( ; ; )近い将来日プの話書いてたらさすがにぶっ飛ばしてくださいね…(笑) (2019年11月26日 23時) (レス) id: 5bc7eaedbd (このIDを非表示/違反報告)
ミロ(プロフ) - KIM MINさん» 大好きだなんて言っていただけてとても嬉しいです( ;∀;)ペンミお疲れ様でした(*^^*)実物の彼らにはとてもじゃないけど敵いませんが、少しでも楽しんでいただけたら嬉しいです!(*^^*)ふふ、こんなに愛されて幸せすぎて溶けてしまいますね(´∀`) (2019年11月26日 23時) (レス) id: 5bc7eaedbd (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:ミロ | 作成日時:2019年11月15日 21時