２０ ページ20
・
「A。」
「Aちゃーん。」
「…Aさん…？」
バイトを早く上がらせてもらい、目の前をさっさか歩いていくAに何度も声をかけるも、ちっとも振り向いてくれない。
「…怒ってる？」
問いかけた俺に、ピタッと立ち止まると、ぐるんと勢いよく振り向いたAの目に少しだけ涙が溜まっていてギョッとする。
『ジミン君、ほんとはあーいう女の人がタイプだったんだ。』
「…え？」
『綺麗な女の人に、…ちゅーなんてされちゃって。だらしない顔しちゃってさ。』
「そんな顔してないっ！」
『してたもんっ！』
キッと俺を睨みつけるAに、こんなふうに怒ってる彼女は初めてで、動揺してしまう。
でも、
でも、それを言うなら。
「…Aだって。ホソギヒョンといい感じに見えたけど？」
『なんだって？』
「やっぱりあーいう大人の男がいいんだ？
俺みたいなガキじゃなくて。」
『なんだってぇ？？』
あ、やばい。
これは、穏やかそうに見えて怒ったらやばいタイプの人かも…？
『私は、今までだって、これからだってジミン君一筋だもん！』
「…っ、
だけどそれは、�爛献潺鵐�ッパ�瓩任靴隋�
俺じゃないよ。」
『…ジミン君は何もわかってない。』
「あ、ちょっと待って…」
『付いてこないで！』
ピシャリと言い放たれて、立ち止まってしまう。
さっき、彼女が一瞬見せた表情が、あまりにも切なげで。
だって、どうしたらいいんだよ。
俺はいつも、彼女との距離を測り兼ねてるような気がする。
・
「A？」
家について、部屋中を探してみたけれど、Aの姿はどこにもなくて。
まだ帰ってきてないのかな？
だけど、彼女はこの家以外行くところなんてないはずなのに。
ましてやこんな夜中に、治安の悪いこの付近を1人で歩いているのかと思うと…
だめだ。
考えるよりも、体を動かせ。
勢いよく外に飛び出すと、
どこかでAの声が聞こえたような気がして立ち止まる。
俺の家はアパートの２０３号室。
築年数うん十年のこのアパートの壁は音が漏れてしょうがない。
ふと、
Aと出会った日、彼女のことをじっと見ていたあの男を思い出して、隣の２０２号室を見ると、扉が少しだけ開いていた。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 1482人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を含むプレイリスト 
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ミロ(プロフ) - もゆさん» わぁ！ジミンペンの方にそう言っていただき今とてもホッとしております( ´ ▽ ` )ちょっとありえな設定でしたが、ジミンちゃんの包み込むような優しさが少しでも表現できてたら幸いです！(*^_^*)素敵なコメントをありがとうございます！ (2020年6月2日 21時) (
レス) id: 4091476ef1 (このIDを非表示/違反報告)
もゆ - ミロさん!!!!「もしも願いが叶うなら」に続き、大号泣しております、本当に場面描写が繊細でもうそっくりそのまま感情移入できちゃう文章、尊敬します…！私はジミンペンなんですが、こんなにも信じあえる関係に焦がれ、凄く幸せになれました！ありがとうございます！ (2020年5月19日 1時) (レス) id: a156f1d191 (このIDを非表示/違反報告)
くるむ(プロフ) - ミロさん» ぶっ飛ばすどころか即読みます！ミロさんのワンピックもわかっちゃうかも知れないですね(..) (2019年11月26日 23時) (レス) id: d2a4ad9a4f (このIDを非表示/違反報告)
ミロ(プロフ) - くるむさん» くるむ様 わかります。皆のグレートマザーになりたいです（ ; ; ）近い将来日プの話書いてたらさすがにぶっ飛ばしてくださいね…（笑） (2019年11月26日 23時) (レス) id: 5bc7eaedbd (このIDを非表示/違反報告)
ミロ(プロフ) - KIM MINさん» 大好きだなんて言っていただけてとても嬉しいです( ；∀；)ペンミお疲れ様でした(*^^*)実物の彼らにはとてもじゃないけど敵いませんが、少しでも楽しんでいただけたら嬉しいです！(*^^*)ふふ、こんなに愛されて幸せすぎて溶けてしまいますね(´∀｀) (2019年11月26日 23時) (レス) id: 5bc7eaedbd (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ミロ
| 作成日時：2019年11月15日 21時
