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『私、ジミン君のバイト先行きたいな!』
「え?」
俺があげたアルパカのキーホルダーをきゅっと握りしめたAが、なんだか面倒くさいことを言い始めた。
『バーで働いてるんでしょ?すっごくおしゃれ!
見たい!』
「やだよ。」
『なんで!?』
「…恥ずかしいもん。」
働いてるところを見られるなんて恥ずかしいじゃん。
『ふふ、ジミン君、かーわいー。』
「は?」
『うわ、』
クスクスと笑うAに、なんだかそれが気に入らなくて、座っている彼女を後ろから思い切り抱きしめる。
『ジミン君、これは…
なんだかドキドキしてしまいます。』
「したらいいよ。」
もっとドキドキしてよ。
19歳の俺じゃ、物足りないかもしれないけど。
もっともっと俺でいっぱいになってほしい。
「どこにも行かないでよ…」
『…え?』
あの洞窟での話は、なんとなくAには出来なかった。
もし話したら、すぐにでも未来に帰っちゃうんじゃないかって。
それが、怖くて。
辛いとか、不安だとか、Aは何も言わないけれど。
俺以外誰も知ってる人のいない過去の世界で、心細くないはずがないんだ。
わかってるけど。
「今の俺じゃ、だめなの?」
『ジミン君…?
どうしたの?』
こんなこと言って。
困らせるに決まってるのに。
だけど、俺はまだ、君にここにいて欲しいんだ。
すごく自分勝手だけど。
それが本当の本当。
俺の気持ち。
「なんて。」
『…っ、
こらー。びっくりしたじゃないかっ!』
「ジミンオッパよりもドキドキした?」
『…
私は、どんなジミン君にもドキドキするよ。』
お願いだから、そんなこと言わないで。
本当に、手放せなくなってしまう。
・
HS「またため息。」
「え?」
HS「出勤してきてからずっとだけど?
なに、なんかあった?」
「ヒョン…俺、変ですか?」
HS「ええ!?
何その顔!情けな!!」
「ひどい…」
だめだ、俺。
気づいたらAのことばっかり考えてる。
「…あれ。」
考えすぎて、とうとう幻覚まで見えてきた。
だって、お店の中にいるはずのないAの姿が見えるなんて。
『!ジミン君!!』
まじでいた。
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ミロ(プロフ) - もゆさん» わぁ!ジミンペンの方にそう言っていただき今とてもホッとしております( ´ ▽ ` )ちょっとありえな設定でしたが、ジミンちゃんの包み込むような優しさが少しでも表現できてたら幸いです!(*^_^*)素敵なコメントをありがとうございます! (2020年6月2日 21時) (レス) id: 4091476ef1 (このIDを非表示/違反報告)
もゆ - ミロさん!!!!「もしも願いが叶うなら」に続き、大号泣しております、本当に場面描写が繊細でもうそっくりそのまま感情移入できちゃう文章、尊敬します…!私はジミンペンなんですが、こんなにも信じあえる関係に焦がれ、凄く幸せになれました!ありがとうございます! (2020年5月19日 1時) (レス) id: a156f1d191 (このIDを非表示/違反報告)
くるむ(プロフ) - ミロさん» ぶっ飛ばすどころか即読みます!ミロさんのワンピックもわかっちゃうかも知れないですね(..) (2019年11月26日 23時) (レス) id: d2a4ad9a4f (このIDを非表示/違反報告)
ミロ(プロフ) - くるむさん» くるむ様 わかります。皆のグレートマザーになりたいです( ; ; )近い将来日プの話書いてたらさすがにぶっ飛ばしてくださいね…(笑) (2019年11月26日 23時) (レス) id: 5bc7eaedbd (このIDを非表示/違反報告)
ミロ(プロフ) - KIM MINさん» 大好きだなんて言っていただけてとても嬉しいです( ;∀;)ペンミお疲れ様でした(*^^*)実物の彼らにはとてもじゃないけど敵いませんが、少しでも楽しんでいただけたら嬉しいです!(*^^*)ふふ、こんなに愛されて幸せすぎて溶けてしまいますね(´∀`) (2019年11月26日 23時) (レス) id: 5bc7eaedbd (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ミロ | 作成日時:2019年11月15日 21時